天界からの救世主35＿＿＿異色な孤独龍の追憶【オリジナル】【過去編】 (ページ30)

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この穴、面白がってページ30

『着いたぞ…ん？なんだこの穴…』

零「あ、それコイツがいた地下牢です」

『地下牢？』

Aが潜入していて見つけられなかった地下牢がここにあるとは。確かにここは潜入で周りの眼がある中では流石に入念に調べられない。
よくやった、と肩パン(強)を叩き込まれ地面に倒れ込む零を冷ややかな目線を送る亜央。

『地下室になにか気になるものは？』

零「…特に」

『じゃあ進むぞ。取り敢えず回収したい荷物が俺にはあるからな。零と亜央は重要記録書庫に先に行っていてくれ』

テレパシーで脳内地図を送っておく…と言いかけてそういや詳しそうなやつがそいつの隣にいるじゃねぇか。

『亜央、案内してやれ』

亜「はあ…」

『すぐ合流するよ』

後ろ手を振りながら二人を置いて去っていたA。零と亜央は「置いてかないでくれ」と思っている。通じ合ってんね！！
Aは見知った廊下だが、何かと新鮮味を感じる廊下を歩き、自室へ向かった。

『…そうか、いつもは誰かしら歩いているのに、誰もいないからこんなにも新鮮に感じるんだな』

Aは広く感じた理由に納得するとたどり着いた自室のノブを回した。
何も変わりない室内を見て特に荒らされていないことを確認。室内を見られることを危惧してもしものために大切なものを仕舞っておいたクローゼット。

『…これも、変わりなく』

目の前には先陣者の自室にあったカメラやアルバム、日記、そして何より大切なあの「オラシオン」の花。
クローゼットの扉を閉めていたにも関わらず良い発色をしてくれている。

窓から差し込むあまり輝かしくはない日の光に翳すと満足そうに笑った。

『……綺麗じゃないか。いい使い方をしなければな』

さて、そろそろ雰囲気が最悪になっているであろう二人の元へ急がなければ。ふふ(面白がってる)

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