天界からの救世主35＿＿＿異色な孤独龍の追憶【オリジナル】【過去編】 (ページ29)

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あの、目でもページ29

亜「…あの…」

『う～ん、いいじゃないか！なかなかに様になってる』

零「(完全に楽しんでる…)」

亜央の着ていた黒い服が引っぺがされ、天界本部の規定制服へと着替えさせられた。真っ白。
ジャケットの色を見て顔を顰めている。別に嫌って訳じゃないんだけど…

亜「(如何せん違和感…！！！)」

『天界本部の一員になったんだ。服も合わせてもらうぞ。示しが付かないしな』

亜「あ、そう…」

零「(諦めてんな)」

さて、彼の御着替えも終わったことだ。漸く出発できる。
Aは零と亜央を連れて転移ゲートへ。何人かの天界部下とすれ違ったが、黒から城へとシフトチェンジした亜央には気が付いていない様子だった。観察眼が足りないようだな。

『さ、着いたぞ。ここから走って移動だ。ちゃんと着いてこい！』

亜「…」

零「はーい」

今はもう戦場跡地になっている荒れ地を三人が走り、敵の本丸へと向かった。
天界部下の戦争後の片付けの能力が高いのか、辺りにはあれだけのOHPの死体が転がっていたというのに欠片も残っていない。
その様子に亜央はあたりをきょろきょろした。

それは零も同じ。

零「…(やっぱ同胞の死体はない、か。一体どこへ…)」

亜「…(あれだけ散らかっていたのに瓦礫と激闘の痕しか残ってない…。天界本部の戦後清掃は優秀だという噂があったがこれほどとは…)」

『よそ見してると置いてくぞ』

「「…すみません」」

勿論そんな様子にAは気が付いていたようだ。後ろに目でもあるんか？