天界からの救世主35＿＿＿異色な孤独龍の追憶【オリジナル】【過去編】 (ページ28)

今日:29 hit、昨日:6 hit、合計:5,866 hit

不本意、次いでだページ28

言葉に零は盛大に顔を顰めた。彼だって不本意である。

零「今回は俺も嫌だよ。天界長がお前に頼みたい仕事があるんだと」

亜「………」

零「…取り敢えず召集には絶対だから来てもらうからな」

亜「うわっ！！おいやめろこれ！！」

天界本部に運ばれてきたときのように黄色いバリアで囲われ、浮かされた亜央は零によって強制移動させられた。
突然の浮遊感に嫌悪を示す亜央だがバリアに囲まれた以上何もできず。

亜「クソ野郎が…！」

零「それは呼び出した天界長に直接言ってやってくれ」

『よお、昨晩は良く寝られたか？』

亜「クソ野郎が！！」

『は？』

零「ふ」

おっと思わず吹き出してしまった。多少Aに睨まれたが気にしないでおこう。

何も話す気が無い零を見てため息を付いたAは零にバリアを解除するように指示した。
薄く掻き消えるようにバリアが解除され、亜央の足が地につく。

『お前を呼んだのはほかでもない。お前を連れて行った方がいいと思ってな＿＿＿厭界軍部の本丸に』

亜央が息を呑んだ。
どうして今更…、いやなぜ厭界軍部に所属していた元仲間をその現場に連れていこうと思うんだ。見せしめのつもりか？

『組織で迫害まがいのことを受けてはいたが本丸内は詳しいだろ？案内も頼む』

亜「…潜入していたんだろう。俺はいらないはずだと…」

『行くぞ』

亜「うわ！」

亜央の襟首を掴み、強制……と動こうとしてAはふ、と彼の服装を見た。

『…次いでだ。着替えろ』

亜「は？」