天界からの救世主35＿＿＿異色な孤独龍の追憶【オリジナル】【過去編】 (ページ19)

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玄人、バレないようにページ19

亜「…(力がある人がいなくなったら普通少しは怖がったり、警戒したり、ちょっかいを出したりするものじゃないのか…こいつらの肝が据わりすぎているだけなのか。

…あるいは俺かここの天界本部の長への信頼が高すぎるのか。)」

思考を巡らせながらも彼らの訓練風景を見ていると、ある部下が目についた。

亜「……。」

ゆっくりと腰を上げて真っすぐ視線を彼に向けている。だがそんな亜央の様子が変わったことに天界部下は気が付かない。それどころか彼が動いたことにすらも気が付いていない様子だった、

亜央はあのAでも気が付くのに微たる時間が掛かる気配殺しの玄人。Aよりも何もかもが劣る天界部下が気が付けるはずはない。

そんな亜央が足を一歩踏み出した。
‥‥・・・・＿＿＿。

零「何の用だ？一応俺亜央を監視しなきゃならねぇんだが…」

「すみませんっ！！どうじて零幹部のお力が必要で…っ！！」

訓練場に呼びに来た天界部下。少し呆れた様子の零に平謝りで彼の斜め後ろをついて廊下を歩いていた。
どうやら書類で分からないところがあったらしく、天界長には流石に聞けないので零幹部を頼った、ということだった。

頼られるのは良いが、せめてブツを持っていてあの場で済ませてほしいものだった。
だがこうなっては仕方がない、と零は負い目を感じている部下から視線を逸らしてバレないように息をついたのだった。