源氏の兄の旦那様

浮気...？ ページ25

ならばいっそ..
私が攫ってしまおうか

髭切「！？」

「貴方に涙は似合いません」

髭切「なっ..」

目元に指を這わせると、驚いた様に私から離れようとする髭切殿だが、私はその腕を素早く掴み言った

「絶縁ならば、私と復縁しましょうか。髭切殿」

髭切「な...にを」

髭切殿の表情が
わかりやすく変わっていった









────────────────
sideA

..馬鹿らしい

燭台切「Aさん」

『なんだ』

燭台切「Aさんの好きなお菓子作ったから、とりあえず落ち着いて？」

『...』

燭台切「僕で良ければ相談にのるから」

水を呑もうと厨に行ったら柔らかく微笑み燭台切光忠が盆を差し出してきた

燭台切「長谷部君からさっきあった事聞いて..きっと苛々してるだろうって思って作ったんだ。Aさん好きでしょう？いちご大福のミルク味」

『...あぁ...頂こう』

いちご大福を摘み口に入れる
餡子の代わりに生くりぃむが入っていて..とても甘い

俺はこれが大好物だった

燭台切「...少しは落ち着いた？」

ぺろりと指についた粉を舐めとっていたら
燭台切が俺の前に座り問うてくる

『あぁ...落ち着いた』

燭台切「Aさん。髭切さんに結構言ったんだって？」

『...』

燭台切「可愛いげがないだとかどうとか」

『まぁな』

燭台切「本当に思ってたの？それ」

『...煩い』

燭台切「..けど、僕はAさんの仲間で..髭切さんと早く仲直りして貰いたいんだよ」

くどくどと説教を垂れる燭台切の言葉を最初こそ
聞き流していた俺であったが

小一時間もされるとさすがに腹が立った

燭台切「だから、Aさ」

『ならば其方が髭切の代わりになるか』

俺は言いかけた燭台切の腕を掴み素早く地面に組み伏せる

燭台切「えっ」

『其方は口煩いが素直で可愛いげがあるな。かっこいい事にこだわる所も可愛いげがある。俺の伴侶になるかと...言うたのだ』

燭台切「ちょっ...待って、僕はそんなの」

『待たぬ。早く答えろ燭台切光忠』

燭台切「っ...」

腕を掴む力を強めると
燭台切光忠の表情がサァと変わった

感じるもの→←仲介者

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す