源氏の兄の旦那様

機嫌を取る方法 ページ16

地下鉄から出て、街に行く

『..』

Aはあれからずっとムスッとしていた
全く..本当にお子様だねぇ

触られてないんだから良いじゃないって、僕は思うのだけどね

『髭切は俺のだ..』

「...」

不覚にも可愛いって思った事は内緒だよ
だって拗ねてる時のAって可愛いんだもの
僕の前でしかやらないし..ね

「ほら、拗ねてないで行こうよ」

『む..うむ』

時間が勿体ないから笑って言いかけると
Aはハッとして頷いた

『..何処に行くのだ？』

「そうだね...Aは何処がいい？」

『別にない』

...まだ機嫌が直ってないか
じゃあ、まずは機嫌を直さないとね

「なら僕が行きたい所に来てくれる？」

『...あぁ』

頷いたAを連れて僕は目的地に向かう
大型のショッピングモール？って所
沢山お店があってね...主が勧めてくれたんだ



しばらく歩いて目的地に着き、中に入る

『また人の子が数多居る場所か』

うんざりした様に呟いたAを無視して
僕はどんどん進んだ

僕の目的の店は、くれーぷ屋さん
美味しいって評判なんだってさ

『..』

「A何がいい？」

店先でめにゅーを見てたらやっとAが来た
振り返って問いかけると

『ちょこが良い』

って言うからそれを一つ頼む

『？...お前は要らないのか？』

「君の機嫌なんてこれじゃ直らないでしょ？」

ただくれーぷを食べるだけじゃ駄目
それは僕が良くわかってる..番だからね

店員「お待たせ致しました」

店員さんからくれーぷを受け取って
Aを連れて人気のない場所に向かう

『髭切..？』

「僕はA以外のものにはならないって...口で言ってもわからないんだから」

ショッピングモールの隠れられる所に行って
くれーぷを食べる

『俺が食べるのではないのか』

「..食べないの？」

『！』

旦那様の機嫌取りはこれしかないよね









────────────────
sideA

髭切はやはり何もかもわかっておる
俺の機嫌を戻す為に..なぁ

くれーぷを食べる髭切は耳に髪をかけていて
ぺろりと口に付いたくりーむを舐め取る仕草さえ
俺の身体を燻る

『..ならん伴侶だな』

「こんな事するのはAだけだよ」

頬を包むと目を細めて微笑んだ髭切に口元を歪め
俺は言われた通り、くれーぷを頂いた
..どうやって？それは其方達が考えよ


ともあれ機嫌を取り戻した俺は
それから現世を満喫したぞ


「あっははは、Aは下手くそだねぇ」

『むっ..見ておれ！今に取ってやるわ！』

くれぇんげぇむとやらには苦戦したがな..

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