Lead【iwnb】 (ページ7)

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「阿部ちゃん、俺臭い？」

「え？…臭くないと思うけど」

「だよなー」

隣のデスクで休憩中の阿部ちゃんに匂い確認をしてもらう

昨日、照にくさいと言われたから自分でも余計気になる

だって、臭いのとか嫌じゃん

……もしや加齢臭？いや、いくらなんでも早すぎだろ
ってことで汗のせいだと思い込んでる

制汗剤塗ったり、汗拭きシート定期的に使ったり、他の人に匂い確認してもらったりして…

香水つけるのもいいと思うんだけど、それで逆に臭いとか言われたら嫌だし…

「翔太って、そんな匂い気にする人だっけ？」

「えー……昨日から気にする人になった、かな」

「昨日なにがあったの」

…というか、よーく見たら俺の周りの人すごいな

ほら、阿部ちゃんとか涼太とかさ

阿部ちゃんなんて石鹸の匂いするよ、爽やかすぎんだろ
涼太はなんかフローラルな香りがする、でも嫌な臭さじゃないのが不思議だ

佐久間は…元々そういうの気にするタイプじゃないけど、臭くはないな

あー羨ましいよ

「じゃあ、今夜の飲み会参加しないか」

「え、飲み会あんの？行きたい行きたい」

酒を飲むのは弱いから得意じゃない

ただ、タダ飯食いたいだけだ

「居酒屋、臭いけど？」

「あー……まあいいよ、そこら辺は」

阿部ちゃんには不思議な顔されたけど、別にいい

そればかりは臭くなっても仕方ないことなのだ

よっしゃ、タダ飯

そう思ってたとき、ちょうど涼太がこちら側に歩いてきた

あ、一番大切なこと聞き忘れてたわ

「涼太」

「ん、なに、翔太」

「今夜の飲み会、お前来るよな？」

「どうせ行くんだろうと思って、もう阿部に報告してる」

「おーさんきゅー」

その会話を終わらせると、また涼太は足を進めて上司のデスクへと向かった

俺の飲み会に欠かせないのは、涼太だ

俺は酒が弱いから、いつも涼太にさりげなーく渡して飲んでもらうことで上司から逃れていた

涼太はマジで酒強いからね

本当にありがたいっす

「じゃあ、俺出席で」

「はいはーい」

すまん、照

俺にとっては、タダ飯しか勝たん。

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