Lead【iwnb】 (ページ3)

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「なにそれ尊い」

「これが尊いの？」

「尊い認定されました」

この目の前で尊いだの何だの言っているのは阿部亮平

優秀な大学を出たのにも関わらず、ここの社内宣伝部というところに異動を申し出た変わったヤツ

俺は阿部ちゃんとデスクが隣同士なのもあり、いつも相談にのってもらってる身だ

で、照のことを話すといつもこう

「いいなー素敵な関係じゃん」

「そうか？」

「そうだよ！一匹狼タイプの岩本さんの心を開く平々凡々なサラリーマンの翔太

くうっ、その関係萌えますな！」

平々凡々って……ディスってるよね俺のこと

まあ、阿部ちゃんのことだしテンション上がりすぎちゃったんだろう

「はっ！……ごめん、俺キモかった？」

「ん？いやいや全然」

語ったあと我に返り、やっちまった……っていうその顔は好きだから全然許すけど

二人で話していると、後ろから突然頭を触られた

寒気がこない、ということはアイツの手ってこと

「翔太」

「ん？」

「ここ、寝癖」

「マジか」

「スプレー貸すから直しておいで」

「んー」

机におかれたのは、いつも彼が使ってるであろうスプレー

もう何回借りたことか、使い方なんて余裕で分かる

そのまま俺の左隣に何事もなかったかのようにデスクの席についた

目の前の阿部ちゃんの顔が満面の笑みになってる

「阿部ちゃーん？」

「っはあ！！尊い！」

息でも止めてた？

「なにあの阿吽の呼吸は！さっすが幼なじみ！その関係性が尊い！二人の空気が尊い！」

阿部ちゃんが壊れて尊いしか言わなくなった。

というのも、幼なじみ兼同僚の宮舘涼太と俺の二人組が好きなんだとか

涼太は昔からの癖で俺に世話を焼くから、そこが尊いポイントになっているらしい

「供給を今日もありがとうございます…」

なんか拝まれたし

涼太は安定のスルーだ。『一々反応してたら俺が何人いても足りなくなるよ？』とのこと

そして、阿部ちゃんの隣に去り気なーく座ったこの同僚

「佐久間、お前今日も遅刻したな？」

「ぐぬぬっ、翔太は鋭いなー……」

「いやみんな気づいてるけどね」

「うん、佐久間が遅刻してるのが日常となってしまってるだけだから」

「ええっ涼太も阿部ちゃんも！？」

寝癖で髪がくるんくるんの遅刻魔、佐久間大介

この三人とよく一緒にいる
いわゆるイツメン？的な

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