Lead【iwnb】 (ページ2)

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「おはよ、照」

「……ん、」

俺起きたばっかなのに、もう玄関にいて出掛けようとしてるんですが

はやくないっすか？

相変わらずムスッとした無愛想な顔で、こちらを見つめてくる

出会った直後と比べたらマシにはなったけどさ

「もう行くの？」

「ん、」

「いってらっしゃい」

「……ん、」

そして、いってきますも言わずに行ってった

ん、しか言わねえじゃんかあいつ

心のなかで文句ばっかり言っていると、グルル…とお腹のすいた音がした

……聞かれてなくてよかった

朝御飯を食べるためダイニングテーブルへ向かうと、そこにはラップがかけられた朝ごはんがあった

キッチンにはナフキンに包まれた弁当もある

本日の朝ご飯はパン、スクランブルエッグ、サラダ

彩りもよし、バランスもよし

あの大男が作ったとは誰も思わないであろう
俺も今でも信じられないわ

まあ、サラダは嫌だって何度も言ってるんだけど中々取り止めてはくれないもので

俺も大人だし？そこは妥協しようと思いまして

「いただきまーす」

これを作った大男こと、岩本照は二週間うちに滞在している居候である

と言ってもご飯作ってくれるし、家賃らしきお金を渡されたし、割とWIN WINな関係である

俺は綺麗好きなので洗濯とか掃除とかを担当してる

幼なじみの涼太が作ってくれるからいいと何度言っても頑なに毎日ご飯を作ってくる変わったヤツ

料理をすることに命でも懸けているのか？？

と、まあそこは置いておいて

ヤツは本当にミステリアスな男だ

朝早くから夜遅くまでどこへ出掛けてるのかも、なにをしてお金を稼いでいるのかも、すべて俺は知らない

まあ、知ろうとも思ってないけど

俺には俺の世界があるように、あいつにはあいつの世界があるんだろうから邪魔はしない

そう決めた

「ごちそうさまでした」

ちゃんと完食

あいつが来てからは更に俺の生活バランスが整った

肌の調子もすこぶるよい

自分の分の洗い物をしてから、肌の手入れをし、ダボダボなTシャツと短パンという部屋着からスーツに着替え、寝癖も直す

「あ、時間ヤベ」

もう出勤の時間だ

俺は急いで靴を履いて、家を出た

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