4話 ページ5
さて誰から始めたものか、というお決まりの雰囲気が漂うのかと思いきや、意外にも先陣切って名乗りを挙げる人が約1名。
「はいはい、じゃあ俺最初にいきたい!」
「お、流石切り込み隊長。んじゃどうぞ」
「えーと、改めまして、28歳、アニメオタク兼ダンサー兼スーツアクターの佐久間大介でっす!」
そう、金髪ハーフアップの佐久間くんである。
「切り込み隊長」というあだ名が定着してるってことは、普段からこんな調子で何にでも先陣切って挑んでいくタイプなんだろうか。
に、しても。
「あ、あに…?」
情報過多。一文に詰め込みすぎ感が否めない。
個性の大渋滞とは聞いてたけど、いきなりキャラが濃いよめめ…
「そ!ダンサーもやってるしスーツアクターもやってるし、あと俺アニメ大好きなんだよねぇ。あ、基本アニメは自分の部屋で見ろってふっかに言われてるから安心してね。
ってことで、よろしくピーマンであります!」
そういえば、リビングに入ったとき一瞬アニメが流れてたような気が。
すぐ2階に行っちゃったから確証はなかったんだけど、それは俺が入ってきたからかも。
「よろしくお願いします」
軽く会釈だけしておく。佐久間くんは頭をぶつけそうな勢いで礼したけど。そして隣の阿部くんが若干嫌そうな顔だけど。
「じゃあ次は俺で。知ってると思うけど目黒蓮です。24歳で、モデルやらせてもらってます。
勉強は阿部くんに任せるけど、モデルのことでなんかあったら相談乗るからね」
「うん、よろしく」
佐久間くんに置いていかれ気味なのを察してかめめが自己紹介してくれて、次は流れ的に俺かな、と阿部くんの番。
「阿部亮平、27歳です。一応家庭教師でラウールと同じ高校生も持ってるから、分からないところあったら聞いてね」
そう言ってにっこりと微笑む姿は宛ら女子アナ。
俺よりは低いにしろ結構背が高いのに、なんだか可愛らしい人だ。
「えーっと、じゃあ次は…だて様!」
あ、阿部くんが指名するのね。
「だて様」と呼ばれた人は、少し戸惑いながらも頷いて口を開いた。
「宮舘涼太と申します。佐久間と同じ28歳で、この近くでカフェやってるから、気が向いたら来てくれると嬉しいかな」
申します。カフェ。
色々と毛色が違うけど、物腰が柔らかくて貴族みたいな雰囲気の人だ。
モテるんだろうなあ、なんて下世話なことを考えてしまうのは許して欲しい。
「国王、次は誰にしますか⁉」と従者のような口調で佐久間くんに聞かれてだて様が指名したのは、
続く (更新停止中)
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作者名：綿音 | 作成日時：2021年6月8日 14時
