Snow Manハウスの日常。 (ページ3)

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2話ページ3

はーい、と機械越しの声を聞いてから10秒ほど、がちゃりと音を立てて顔を出したのは初めてここにきたとき話したのと同じ人。

「ラウール！」
ここの最年長、ふっかこと深澤辰哉さんだ。

「みんな待ってたよ、入って入って」

そう促され、ふっかさんの後についておそるおそる中へ入ると…

「ふっかさん、言うてた子来たん⁉あ、おるー!よろしくなぁ!」
いきなり出てきたかとテンションの高い関西弁で喋りかけてくる男の人。
さらに部屋の中からは
「え、マジ⁉ちょっと待って顔見たい!あーでも今いいところなんだよなぁ…!」
とハイトーンな男声も聞こえてくる。
あまりのアッパーさに圧倒され言葉を発せないでいるのを察してか、
「はいはい、嬉しいのはわかるけど落ち着け。ラウールが反応に困ってるだろ」
とふっかさんが諫めてくれた。
ごめんなー初っ端からうるさくて、という軽い謝罪を受けながらも通されたのは、2階の奥にある部屋。

「現役高校生だから教科書とか置くもの多いでしょ?だからしばらく1人部屋ね」

「他の人は違うんですか?」

「ムリムリ、ラウールで9人目だもんここw いくらでかい家でもそんなに部屋数ねえからね、俺含めて他の8人は2人1部屋」

んじゃ荷解きできたらリビング降りといで、と言われて一旦1人になった。
元々見た目はハーフで派手でもそんなに陽キャな方じゃないし、この後も慌ただしそうだから今のうちに1人でゆっくりしとくのが得策かも。
ゆっくりといっても、教材やら服やらをしまわなきゃいけないから忙しくはあるけどね。

ちょっと頭を休ませようと無心になって荷物整理をしていたら、めめから着信が来ていた。

『もう家着いた?』

「着いたよ…っと」

『まだちゃんと話したのはふっかさんだけだけど、賑やかな人たちだねw』

『だろw』

『個性の大渋滞だよ』

『でもいい人達ばっかりだし、ラウールも楽しく過ごせると思う』

「個性の大渋滞…か」

俺はさっきも言った通り派手な見た目で身長もここ2年くらいで自分でも怖くなってくるくらい伸びてるから、正直それだけでもクラスでは浮いてる。
友達がいないわけじゃないけど、なんとなく過ごしにくいと言ったところか。

そんな俺でも、ここならあるいは。

いつの間にか綺麗に片付いていた部屋を眺めてから階段を降りる。

不思議なことに、体に羽が生えたみたいに足取りが軽いのが自分でもわかった。