【QK】君と繋ぐ、日常。【短編集】

星空と2つの質問/ini ページ1

オフィスからの帰り道。綺麗な星空の下君はこんなことを呟いた。





『ねえ、乾はさ人間が死ぬとどうなると思う？』
「え、何急にA明日死ぬの？」
『んー？いや、ただ単に乾の意見が聞きたかっただけ』






急にそんなことを聞かれてすぐに答えることができなかった。人間が死んだらどうなるか、考えたことがない訳じゃない。でもそんな急に聞かれてすぐ返答できるほど深く考えたことはなかった。






「やっぱり、天国か地獄に行くんじゃない？」
『私も最初はそう思ってたんだけどさ、考えれば考えるほどそれって人間のエゴなんじゃないかなーって思ってさ。だから乾の意見を聞いてみよって思ったんだけどやっぱりみんな考えることは同じかー』
「人間のエゴ、ねぇ。確かにそうかも。天国とか地獄があるとかわかんないし。」








天国と地獄が本当にあるのかなんて知らない。調べる方法がない。自分が死んでしまったら元も子もないし、亡くなった方に聞くことだってできない。だから、どうして天国と地獄という概念が出来たのかはわからないし、それこそAが言っていた通り出来たのは人間のエゴなのかもしれない。

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