第247話 完璧にならなきゃ ページ48
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「“ローズスプラッシュ”！」
リカがシュートを打ち込んだ。デザームが構える。
「“ワームホール”」
リカのシュートが止められた。デザームは吹雪に目線をやると、彼を指差した。
「お前だ！」
デザームはボールを蹴り、吹雪の方へ渡した。
「お前が打ってこい！」
吹雪がそれを足で受け止めると、鬼道は吹雪に呼びかけた。
「気にするな吹雪！ お前は自分のプレーをすればいいんだ！」
「分かってる……」
吹雪はそう言うと、突然ボールを蹴って走り出した。その表情が突然変わった。
「初めからそのつもりさ！！」
「吹雪！！！」
「どうして…！？」
あれは間違いなく……アツヤの人格だ。みんなは吹雪の背中を見つめ、顔を強張らせた。
吹雪が自分と弟、二つの人格で悩んでることは、みんな分かっていた。しかし、吹雪がどうするのかを決めることができるのは、吹雪だけだ。
「(俺達は吹雪だけに頼らず、一緒に戦うと決めた……)」
「(だからお前が決めたなら、とことん付き合う……)」
「(それが仲間だから！)」
吹雪はディフェンス陣二人を突破し、シュート体制をとった。
「“エターナルブリザード”！！うおおぉおぉっ！！」
「予想通り……楽しめそうだな！！“ドリルスマッシャー”！！」
デザームがエターナルブリザードを弾き返した。
「何だ、今のは…」
「もう一度だ！俺にもう一度ボールを回せ！！」
吹雪がもう一度シュートを打つ。
「“エターナルブリザード”！！」
「“ドリルスマッシャー”！！」
しかし、またも吹雪のシュートは弾き返されてしまった。
「そういうことか…」
デザームは吹雪を見つめて、小さくそう呟いた。
「(シュートを決めてこそ、俺はここにいる価値がある！！)」
吹雪がまたボールを持って攻め上がった。
Aは吹雪を見つめながら眉をひそめた。
「吹雪……」
「(完璧にならなきゃ……ここにいる意味がねえんだ！！)」
吹雪が高く飛び上がり、シュートを打った。
「“エターナルブリザード”！！」
「“ワームホール”」
──しかし、デザームはまたも止めてしまった。
「俺は……完璧にならなきゃならないんだ！！！」
吹雪がそう叫び、またシュートを打ち込んだ──その瞬間デザームは、それを片手で止めてしまった。
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作者名：無名 | 作成日時：2022年10月5日 10時
