第202話 １パーセントを奪い取れば ページ3
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「ふざけんな……！！まだ勝負はついてねえぞ！！」
「吹雪！」
吹雪が彼らのほうへ走ろうとするのを、円堂が止めた。
「逃げるな！！」
「再び戦うときは遠くない。我らは真の力を示しに現れる」
そう言い残し、イプシロンはまばゆい光に包まれて消えた。
「くっ……」
「おい、大丈夫か…？」
円堂が吹雪に声をかけると、吹雪は腕をおろし、突然静かになった。
「なんでもないよ。……もう一点が取れなくて、ごめんね」
吹雪はそう言うと、フィールドの外に向かって歩き出した。その背中に向かって、円堂は叫んだ。
「でも、負けなかったのはお前のおかげだ！ありがとな！」
────
それからみんなはベンチに戻り、水分補給を始めた。風丸は地面に座り込むと、肩を落とした。
「勝てなかった…これだけ頑張ったのに…」
「何言ってんだよ！俺達奴らと引き分けたんだぜ！」
「そうか…この前はコテンパンだったんだ」
「あたしたち、強くなったんだな！」
その言葉に、みんなの顔色は明るくなっていった。
「なんか、勝てそうな気がしてきたっす！！」
「俺もでやんす！！」
「おいおい、単純だな」
「答えはシンプルさ。互角に戦えるならば、勝利の確率は五十パーセント。相手から1パーセントを奪い取れば勝てる」
鬼道の言葉に、春奈は嬉しそうに笑った。
「お兄ちゃん、なんかキャプテンに似てきた！」
「勝つまでには至らなかったけど、一歩全身。でも気を緩めないで」
「そうよ。試合に勝利しない限り、エイリア学園はまた現れるわ」
瞳子監督と夏未が言った。円堂は明るい笑顔でみんなを見回した。
「よーし！次は勝つぞー！！」
「おーっ！！」
Aは首にかけていたタオルをぐっと握った。
「(……吹雪はデザームのワームホールを破った。円堂はガイアブレイクを止めることができた。みんな一歩前に進んでる……でも私は……)」
Aは歯を食いしばった。
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作者名：無名 | 作成日時：2022年10月5日 10時
