第211話 自分たちの力に変える ページ12
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「かーっ！ムカつくわーっ！！」
リカがそう叫び、一之瀬を自分の方に引き寄せた。
「ダーリン！こうなったら、ウチとダーリンのラブラブシュートで一点取ったるで！」
「ら、ラブラブシュート？」
「そや！シュートが決まらんかったんは、ウチらの愛が足らんかったからや…！」
リカの言葉に、横で木暮がぼそっと「これで決まったら奇跡だけどね」と言った。
「いきますよ！」
立向居がボールを投げ、陽花戸中の反撃が始まった。
「こっちの動きに合ってきたな…」
「“ニニンサンキャク”！！」
木暮、塔子、土門の三人を抜き去った二人の選手に、塔子は笑った。
「面白い技持ってるじゃん！」
「やはり、奴らはこっちのフォーメーションを読んできている…！」
「強いチームを研究して、自分たちの力に変える！そうやって俺達はレベルアップを図ってきたんだ！」
鬼道の言葉に、戸田は笑いながらそう言った。
「俺がブロックするッス！」
ニニンサンキャクで攻め上がっていく選手二人の前に壁山が立ちふさがった瞬間、彼らは戸田にバックパスを出し、壁山を突破した。
その時、戸田の前に吹雪が立ちふさがった。
「“アイスグランド”！」
吹雪のアイスグランドで、ボールはまたも雷門に渡った。
「素晴らしい技を持っているな…！」
吹雪が攻め上がっていく。
土門にパスが渡り、土門からさらに一之瀬へとパスが回った。
「ダーリン！ラブラブシュートや！」
「だからそれ何なの！？」
「決まってるやん！」
一之瀬の横に走ってきたリカがうっとりしながら言った。
「二人の愛の結晶といえば、“バタフライドリーム”……！」
「えぇ！？」
「ほら、早よ手繋いで！」
リカが手を差し出すと、鬼道や土門もそれを促した。
「一之瀬！この際やってみろ！」
「やれよ、ダーリン！！」
「っわかったわかった！やるよ！！」
一之瀬がリカと手をつなごうとした瞬間、前から石山と筑紫が攻め上がってきた。
「もうシュートは打たせねえ！」
「“ブロックサーカス”！」
二人のボールが奪われた。
「うあっ！」
「いやーーーん！」
「愛が壊れたね、ていうかもともとないけど…うっしっしっ！」
木暮が笑いながら言った。
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作者名：無名 | 作成日時：2022年10月5日 10時
