第214話 試合の中で進化していく ページ15
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試合が再開した。陽花戸中に渡ったボールを、早速鬼道がカットしてリカに回した。
「行くで！“ローズスプラッシュ”！！」
「この動きなら、円堂さんのように…！！」
立向居が構えた。
「“マジン・ザ・ハンド”！！」
またもマジン・ザ・ハンドは不発に終わり、ゴールネットにシュートが突き刺さった。その後も一之瀬と鬼道の“ツインブースト”が決まり、雷門は三点目になった。
「いくぞ、円堂！」
「おう！」
一之瀬の合図で円堂がゴールを飛び出した。
「キーパーが飛び出した…！」
「まさか！」
「そうか…！あの技だ…！！」
一之瀬、土門、円堂の三人がフィールド上で交差し、空にフェニックスが舞う。
「“ザ・フェニックス”！！」
三人の連携技が、立向居へと襲いかかる。
「“マジン・ザ・ハンド”！！」
しかしこれも不発に終わり、ザ・フェニックスはゴールネットへと凄まじい勢いで突き刺さった。
4対0になったと同時に、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。雷門の勝利だ。
陽花戸中と雷門中のメンバーがそれぞれ握手をして、互いに挨拶を交わした。
「立向居のマジン・ザ・ハンド、どう思う？」
鬼道が一之瀬、土門、円堂に問いかけた。
「俺達のシュートを受ければ受けるほど、完成に近づいている気がするよ！」
「試合の中で進化していく。まるで誰かさんみたいだな！」
「ん？」
円堂の方を見て告げた土門に、円堂は首を傾げた。
「ゴッドハンドを物にしたんだ。ひょっとすると、マジン・ザ・ハンドも使えるようになるかもしれないぞ」
「ああ！」
「円堂」
土門が、少し先でこちらを見ていた立向居を指差した。円堂は立向居の方に向かった。
「立向居！」
「あっ、あの、円堂さん…ありがとうございました！！」
立向居が頭を下げた。円堂は微笑み、手を差し伸べた。
「おう！こちらこそ！」
立向居はおずおずと手を出し、二人で握手をした。
「“マジン・ザ・ハンド”、お前なら絶対できる！」
「あ……ありがとうございます！」
立向居が目を輝かせた。
Aはベンチに戻らず、グラウンドに転がっていたサッカーボールを拾い上げた。
「………このままじゃ……このままじゃ私は、ただの足手まといだ……」
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作者名：無名 | 作成日時：2022年10月5日 10時
