第192話 吹雪と睦月 ページ43
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─────数時間後。
大阪ギャルズの土州が差し入れにたこ焼き屋お好み焼きを持ってきたため、特訓は一度休憩ということになった。
「大阪名物大集合！美味いもんサミットや〜〜！！」
「いただきま〜〜す！！」
みんなが声を揃えていった直後、お好み焼きやたこ焼きの取り合いが始まって、あたりは賑やかになった。
「七、八、九…十、十一、十二……」
数を数えながら食べ物を噛んでいる円堂を、みんながぽかんとした顔で見た。
「何やってるんだ？」
「体に栄養がよく行き渡るように、食べ物を三十回噛むことになってただろ？十五、十六、十七……」
円堂がそう言うと、壁山も同じようにかみ始めた。
「十八、十九、二十……」
「あれ、吹雪と睦月は？」
よく見ると、吹雪とAの姿が見えない。
円堂と秋は、二人が特訓している部屋に向かい、扉を開いた。
「吹雪、睦月！一緒に食おうぜ！」
そこでは、弾き飛ばされるボールを、Aと吹雪が交互に蹴っていた。
吹雪が最後に蹴ったボールが、二人の横をそれて壁にあたり床へと落ちると、二人は地面に手をついた。吹雪は荒い息を吐きながら肩で息をし、Aも息切れしながら汗を拭った。
「吹雪、睦月……」
─────
次の日も、朝から特訓が続いた。Aと吹雪が行っていたマシンは、今ではLv.7まで進んでいた。Lv.7のマシンを吹雪が破壊し終えたとき、Aは膝に手をつき、隣の吹雪を見た。
いつもの吹雪とはまるで違う。吹雪は、試合中よくこの状態になることがあった。まるで人が変わったように、口調も、表情も変わる。
そして、今の吹雪には、焦りが見えた。それはAも同じだったが、吹雪はこの前のイプシロン戦で、デザームにシュートを止められたことが相当悔しかったんだろうとAは分かっていた。
「吹雪、一回休憩しよう。もうずっと連続で──」
Aが吹雪の肩に手を伸ばしたとき、吹雪がその手を弾いた。
沈黙が続く。しかし、吹雪はハッとしたように顔を上げ、Aを見た。表情がだんだんと、普段の穏やかなものになっていく。
「……ごめん、そうだね。休憩しようか」
吹雪がにっこり笑ってそう言った。
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無名(プロフ) - ヤギさん» 返信が遅れてしまいごめんなさい😭🙏嬉しいですありがとうございます…😭😭🙏🙏💕💕 (2022年10月4日 19時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
ヤギ(プロフ) - とても面白くて最初からここまで一気に読んでしまいました、応援してます！ (2022年6月1日 4時) (レス) @page2 id: 4a42e1cfde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無名 | 作成日時：2022年5月9日 22時
