第173話 お前の世界が ページ24
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「ぐああぁあああああ────ッッ！！！！！」
シュートを放った瞬間、佐久間はまた悲鳴を上げ、フィールドに倒れ込んだ。
「逃げるわけには行かない！」
「円堂くん！！」
「やめて！！！」
構える円堂に、秋と夏未が悲痛の声を上げた。
「“マジン・ザ”──」
「くっ……！！！」
円堂の前に鬼道が立ちふさがり、皇帝ペンギン一号を足で受け止めた。
「お兄ちゃん！！！」
鬼道を弾き飛ばしたシュートが、円堂めがけて向かってくる。
「“マジン・ザ・ハンド”───！！負けてたまるか──！！」
鬼道と円堂二人がかり、かろうじて、シュートを止めることができた。
「円堂、大丈夫か…！」
「そっちこそ…！」
「大丈夫だ！だが…！」
鬼道たちが佐久間を見た。
「ハアッ……ハアッ……！！次こそ……決める……！！！」
「二回目……！もう一度打ったら……佐久間くんは…！」
秋が口元を手で抑え、恐ろしそうにつぶやいた。
「もうやめろ……これ以上打つな！」
「やめるわけにはいかない……」
立ち上がった佐久間が一歩踏み出した瞬間、足に走った激痛で、佐久間は悲鳴を上げた。
「ぐああっ…！！」
「なぜ分からない！？サッカーが二度とできなくなるんだぞ……！！」
鬼道は佐久間の肩を掴んだ。
「分からないだろうな、鬼道……俺はずっと羨ましかった……」
佐久間は鬼道を見ながらふっと笑った。
「力を持っているお前は先に進んでいくのに、俺はどんなに努力しても追いつけない……同じフィールドを走っているのに、俺にはお前の世界が見えないんだ……」
佐久間は鬼道を突き飛ばした。
「だが……皇帝ペンギン一号があれば、お前に追いつける……！いや、追い越せる！お前すら手の届かないレベルに辿り着けるんだ……！！」
「くっ……！」
試合再開後、塔子に猛烈なタックルをして吹き飛ばした不動が、奪ったボールを佐久間へと繋げた。
「佐久間！！」
「これで決める！！」
「やめろ、佐久間──！！」
佐久間を止めに入ろうとする鬼道を不動がマークした。佐久間はまた足を振り上げた。
「うおおおぉぉ─────ッッ！！！！」
皇帝ペンギン一号がまた打たれた。その瞬間、佐久間は、全身に走る激痛で、悲痛なまでの悲鳴を上げた……。
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無名(プロフ) - ヤギさん» 返信が遅れてしまいごめんなさい😭🙏嬉しいですありがとうございます…😭😭🙏🙏💕💕 (2022年10月4日 19時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
ヤギ(プロフ) - とても面白くて最初からここまで一気に読んでしまいました、応援してます！ (2022年6月1日 4時) (レス) @page2 id: 4a42e1cfde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無名 | 作成日時：2022年5月9日 22時
