第152話 木暮くんなら大丈夫 ページ3
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「お許しください……一時の激情に負けた、心弱き私達を……」
両チームが準備を整えそれぞれのポジションにつくと、漫遊寺サッカー部の部員たちは手のひらと拳を突き合わせ目を閉じて精神を統一した。
試合開始のホイッスルが鳴り響く。
「遠慮はいりません！邪悪なる魂に天罰を下すのです！」
漫遊寺からのキックオフで試合が始まった。漫遊寺のサッカーのボールさばきは素晴らしいものだった。素早いパス回し。洗練された動き。
「なんてボールさばきだ！」
「これなら、イプシロンに勝てるかもしれないッス！！」
「愚かな。6分で片付けてやる」
デザームがニヤッと笑った。
「“竜巻旋風”！」
砂埃が巻き起こり、イプシロンの選手の周りを覆う。
しかし、砂埃が払われた先には、イプシロンの選手が待ち構えていた。ボールを奪い、彼女は前線へと攻め上がっていく。
漫遊寺のマークをものともせず、あっという間にゴール前まで来たイプシロンの選手が、シュートを打つ。
「“四股踏み”！」
漫遊寺のディフェンダーのディフェンス技は破られ、彼ごとゴールネットへと吹き飛ばされてしまった。
その後も漫遊寺のシュートは決まらない。それどころか、点を奪われる一方的な試合が続き、漫遊寺の選手は次々に倒れていく。
「………無念だ……」
最後の選手が倒れると、試合は、続行不可で強制的に終了した。
「あいつら、本当に6分で決めやがった……」
「これがファーストランクチームの力……」
「ジェミニストームとは、比べ物にならないくらい強いでやんす…」
キャプテンデザームが黒いボールを持ち上げた。
「やれ」
「──待て！」
円堂が叫んだ。
「まだ試合は終わっちゃいない！俺達が相手だ！」
「お前たちが？……ふん、いいだろう」
デザームが笑った。
「木暮くんもチームに入れてください！」
「えっ！？」
春奈が木暮を指差しながら言うと、木暮は動揺して顔を上げた。
「こ！？」
「木暮！？」
「木暮くんだってサッカー部の一員です！」
「でも補欠だろ！大丈夫かよ、そんなやつ入れて」
「下手にうろちょろされるとかえって邪魔になるし…」
染岡や土門が不安そうに言った。春奈はそれでも、チームのみんなに懇願した。
「そんなことないです！木暮くんなら大丈夫です！だからお願いです！お願いします！」
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第153話 私、信じてるから→←第151話 お受けいたしましょう！
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無名(プロフ) - ヤギさん» 返信が遅れてしまいごめんなさい😭🙏嬉しいですありがとうございます…😭😭🙏🙏💕💕 (2022年10月4日 19時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
ヤギ(プロフ) - とても面白くて最初からここまで一気に読んでしまいました、応援してます！ (2022年6月1日 4時) (レス) @page2 id: 4a42e1cfde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無名 | 作成日時：2022年5月9日 22時
