第156話 大きな価値 ページ7
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雷門のキックオフで、ボールは風丸に渡った。みんなが攻め上がる中、木暮は呆気にとられたように固まっている。
「木暮くん、動きませんね……」
「戦闘、開始！」
デザームの合図でイプシロンが動いた。染岡と吹雪をイプシロンの選手二人ずつがマークする。
「やはり…」
「2トップを抑え込むことで、こちらへのプレッシャーを狙っている……」
「突っ込め、風丸！」
「いっけえええ！」
大柄の選手二人のタックルを風丸が飛んでかわし、風丸から塔子へ、塔子から鬼道へとボールが渡っていった。
「ジェミニストーム戦の経験、ちゃんと活かされてるわね…！」
「はい！敵の動きを見切ってますよ！」
「だけど、染岡くんと吹雪くんが完全に封じられているわ…」
「イプシロンがジェミニストームごときと同じと思っているようでは、貴様らの力も底が知れている」
鬼道から土門、土門から一之瀬へと更にパスが回った。
「一之瀬！」
「“スピニングシュート”！」
一之瀬の渾身のシュートが、デザームへ打ち込まれた。
しかし、一之瀬のシュートを、イプシロンの選手二人が打ち返した。それはそのままシュートとなり、一直線に雷門ゴールへと向かっていく。
「っ！」
「塔子！壁山！」
「“ザ・タワー”！」
「“ザ・ウォール”！！」
間一髪、二人がギリギリでシュートを防いだ。
吹雪がマークを振り切り大きくジャンプしたが、イプシロンの選手も負けじと吹雪の後について飛んだ。
「吹雪！！」
吹雪がニヤリと笑い叫んだ。
「もらったぜ！！」
吹雪は選手二人の背中を踏み台にしてさらに高く飛び上がり、ボールを取った。
「“エターナルブリザード”！いっけえええ！！」
吹雪のロングシュートがデザームに打ち込まれた。しかし、デザームはそれを片手で止めてしまった。
「な、何っ！？」
「エターナルブリザードが……！」
「止めやがった！」
「ありえねぇ…！」
吹雪が悔しそうに歯を食いしばった。
「敵ながらいいシュートを打つ。気に入ったぞ。お前たちは我らエイリア学園にとって大きな価値となる。残り二分二十秒、存分に戦ってもらうぞ」
デザームが大きく腕を振りかぶり、ボールを投げた。
「カットするんだ！」
一之瀬と染岡が攻め上がったが、ボールはイプシロンに渡ってしまった。
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第157話 見えてるからこそ完璧に→←第155話 三分で決着とする
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無名(プロフ) - ヤギさん» 返信が遅れてしまいごめんなさい😭🙏嬉しいですありがとうございます…😭😭🙏🙏💕💕 (2022年10月4日 19時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
ヤギ(プロフ) - とても面白くて最初からここまで一気に読んでしまいました、応援してます！ (2022年6月1日 4時) (レス) @page2 id: 4a42e1cfde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無名 | 作成日時：2022年5月9日 22時
