第403話 成功だ！ ページ4
、
今日も朝食を終えたあとに、いつもどおり特訓が始まった。
Aは立向居の前に立ち、ボールを足元に置いた。
「行くぞ、立向居！」
「お願いします！」
思い切りボールを蹴ったその時、一瞬、Aは自分のシュートに昨日とは違う手応えを感じた。
「ムゲン・ザ・ハンド！！」
立向居が構え、手を前に突き出した。無数の手がそのボールを掴んだようにも見えたが、それはすぐに消え去った。立向居がボールを手に掴んだとき、ボールはギュルンと音をたてて、立向居を弾いた。ボールはゴールポストに当たって跳ね返った。
「いてて……」
立向居はその場に尻餅をつき、自分の両手を見つめた。それから感激したように顔を上げ、Aに向かって叫んだ。
「すごいです睦月さん！！昨日より威力が増してます！！」
Aはボールを足で受け止めて、ぽかんとした。ここ数日の練習で、体は確実に何かを掴んだようだ。
「もう一回お願いします！」
「……ああ」
立向居が立ち上がったのを確認し、Aは頷いて構えた。
今度は、
Aはボールを高く蹴り上げ、自身も高く飛んだ。
いつもより、ボールがゆっくりに見える。それに、なんだか体も以前より軽い。体中から燃え上がる何かを感じる。この感覚を、昔一度感じたことがあった。必殺技を初めて打ったときの感覚だ。
どう体を動かして、どうボールを打てばいいのか、頭が勝手に理解していた。Aは足を振り上げ、ボールを勢い良く蹴り落とした。視界一面が、キラキラと輝いたような気がした。
立向居が構える前に、ボールはゴールネットに突き刺さった。
Aはその場に着地して、地面を転がるボールを見ながらぽかんとした。
「や………やったやん、A！！」
近くで見ていたリカと塔子が、慌てて駆け寄ってきた。
「すっごいシュートだった！！早くて見えなかったぞ！？」
「めっちゃ綺麗やったわ〜！！」
興奮してそう語る二人を見て、Aは口をはくはくさせた。
「私……今……できたのか？」
「そうだよ！！ 成功だ！！！」
塔子がAの首にガバッと腕を回しながら叫んだ。
、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 63人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
無名(プロフ) - 鮭の神様(元 レオ)さん» こちらでもお褒めの言葉ありがとうございます！😭🙏嬉しいです〜〜〜更新頑張ります😭💪🏻ありがとうございます〜！ (2022年11月15日 18時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
鮭の神様(元 レオ)(プロフ) - 設定資料の方にもコメントさせてもらいました！ドキドキしながら読ませてもらっています……😇無理せず頑張ってください！！ (2022年11月15日 18時) (レス) id: 8332330280 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：無名 | 作成日時：2022年11月4日 7時
