第428話 考える時間が必要だ ページ29
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「なんで富士山なんですか！？」
塔子の言葉に答えたのは、鬼道だった。
「………そこに宇宙人がいる……？」
「出発は、明日の朝八時」
監督が言った。
「それまでに、準備を整えておいて」
そうとだけ告げて、監督はその場を去っていった。
監督が去っていったあとの空気は重く、とても前向きになれるような気分ではなかった。
「そんなん、信用できひん……」
「結局監督は、俺達の質問には何にも答えなかった……」
一之瀬が静かに言った。
「俺だって、今度の戦いには疑問がいっぱいあった。それでもついてきたのは、エイリア学園の攻撃で傷ついた、みんなの思いに応えたかったからだ。今日のカオス戦だって、アフロディが倒れている……」
「一之瀬くん……」
「だけど監督には、みんなの想いなんか何にも届いてない……俺はこんな気持ちじゃ、富士山になんか行けない！」
「俺も一之瀬と同じだぜ」
土門が手を上げながら言った。
「もう我慢の限界だ。鬼道はどうよ？」
「……どっちに転ぶにしても、判断材料が少なすぎる」
「らしい答えだよ……」
土門はふっと笑いながら言った。
「──悩むことなんかない！」
円堂が言った。
「エイリア学園のすべてが分かるんだぜ。行くしかないだろ」
円堂の答えは真っ直ぐだった。
「監督が勝つことに拘って俺達を引っ張ってきたのは、きっとわけがあるとおもってた！その答えは、富士山にあるんだよ！行こうぜ、みんな！」
「待て、円堂」
鬼道が冷静に言った。
「俺は、一之瀬が戸惑うのもわかる。一緒に行くかどうかは、それぞれに決めてもらおう」
「だけど…」
「みんなには考える時間が必要だ」
その言葉に円堂は納得したのか、「そうか…」と頷いた。
「そうだな。今夜一晩あるもんな」
「どんなに時間をもらっても、答えは同じだよ」
一之瀬は険しい顔をしたままそう告げた。
「一之瀬……」
「俺は降りる」
「なんで監督は話さないんだ？隠してたっていいことなんかないだろ」
綱海が心底疑問そうに言うと、木暮は暗い顔でうつむいた。
「……結局、信じた俺達が馬鹿だったってことでしょ」
「本当にそうかしら」
その時、夏未の言葉でみんなが顔を上げた。
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無名(プロフ) - 鮭の神様(元 レオ)さん» こちらでもお褒めの言葉ありがとうございます！😭🙏嬉しいです〜〜〜更新頑張ります😭💪🏻ありがとうございます〜！ (2022年11月15日 18時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
鮭の神様(元 レオ)(プロフ) - 設定資料の方にもコメントさせてもらいました！ドキドキしながら読ませてもらっています……😇無理せず頑張ってください！！ (2022年11月15日 18時) (レス) id: 8332330280 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無名 | 作成日時：2022年11月4日 7時
