正義の騎士は突然に ページ5
*. side Nozomu
昨日、あんな風に拒否されたのになんでか放っておけなくて。
あれからずーーっと重岡先輩のことばかり考えてる。
どうしたらあの警戒を解いてあげられるんやろ。
どうしたらあの怯えたように揺れる瞳が笑顔に変わってくれるんやろ。
ってそんなことばかり考えて悶々としてる。
やから、早く先輩に逢いたくて
早く放課後になれ〜って祈りながら過ごしてる。
そんな、昼休みのことだった。
廊下が急に騒がしくなった。
男子生徒の怒号と女子生徒の悲鳴が響く。
何故か、嫌な予感がした。
そんな胸騒ぎに駆り立てられるように廊下へ走り出した。
桃｢…重岡先輩っ…！｣
嫌な予感って、どうして当たってしまうんやろ。
重岡先輩が、びしょ濡れの状態で走っていた。
後ろからは、昨日彼を取り囲んでいた男子生徒と意地悪く笑った女子生徒たちが追いかけてきている。
赤｢小瀧く、｣
俺を見上げて、名前を呼びかけた彼の腕を引いた。
桃｢俺についてきて。｣
彼が頷くよりも先に走り出す。
『ちょっと、何アレ小瀧くん！？』
『重岡てめぇ汚ねぇぞ！』
後ろの声を無視して走り続ける。
5分くらい走っただろうか。
背後から聞こえる声も小さくなった。
赤｢…はぁ…っ…こたきくんっ…！｣
桃｢あっ、すいません！｣
先輩の息が上がっていることに今更気づいて、慌てて手を離した。
重岡先輩はそのまま力尽きたように座り込む。
びしょ濡れのその髪に触れ、目線を合わせた。
赤｢…なんで…なんで、助けたん…｣
潤む瞳に見つめられても、理由がすぐには出てこない。
何故かなんて俺自身にもわからなかった。
桃｢…ほっとけるわけないじゃないですか…｣
わからない。
わからないけど。
それでも守りたくて。
桃｢先輩、これからは俺がいますから。｣
赤｢…え？｣
戸惑う彼に笑顔を向けて
頬を伝う雫を親指で拭うと、先輩の身体が小さく震える。
桃｢もー、びしょ濡れやないですか。｣
制服の袖を伸ばして、その顔を拭くと先輩は小さく笑って分厚いレンズのメガネを外した。
桃｢…っ、｣
その素顔を見て、思わず息を呑んだ。
長い睫毛と、大きな瞳。
どれも俺をときめかせるには充分過ぎて。
…好きになっちゃったかも。
*.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 351人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
パロトコル - 更新待ってます (2016年8月21日 15時) (
レス) id: b4041e8849 (このIDを非表示/違反報告)
鶴丸。(プロフ) - 切ない切ない(;Д;)(;Д;)切ない系大好きですけど、ここまでとは。。。心がぎゅってなります(;Д;)(;Д;) (2016年8月15日 15時) (レス) id: d5bb65c9f1 (このIDを非表示/違反報告)
こたしげloveeeeeee(プロフ) - お気に入り追加しました！更新頑張ってください！ (2016年8月14日 2時) (レス) id: e703a70e5b (このIDを非表示/違反報告)
るう(プロフ) - こ〜ゆ〜お話大好きなんで楽しみにしてます( ; ; )しかもこたしげちゃんで、、、！更新楽しみにしてます｡頑張ってください！！ (2016年8月14日 1時) (レス) id: 3dbd52da71 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：常田 | 作成日時：2016年8月14日 0時
