はじめての会話 ページ4
*. side Nozomu
放課後の図書室。
重岡先輩とは朝、乱暴にプリントを押し付けて以来の再会。
どんな顔して会ったらええんやろ…
緊張で胸を高鳴らせながら、彼がやって来るのを待つ。
5分くらい経ったとき、ガラッと音がして扉が開いた。
桃｢…あ、｣
先輩は一瞬俺を見ると、すぐに目をそらして俯いた。
赤｢…もう来てたんや、早いね。｣
桃｢あ、はい…｣
こんな時ばかり人見知りが発揮されて、まともな会話ができない。
どうしよう、と内心焦りまくってるうちに先輩は俺の横に座った。
赤｢…仕事、教えるね。｣
桃｢あ、お願いします…｣
テキパキと、丁寧に仕事を教えてくれた。
赤｢…だいたい、こんな感じやな。なんか聞きたいことある？｣
そう言いながら、俺の目を見た重岡先輩。
分厚いメガネのレンズの向こう、まんまるな瞳は真っ暗だった。
はじめてきちんと見つめた彼の顔。
その口の端、僅かに滲む赤色。
桃｢…これ、｣
その傷跡に思わずそっと触れると、先輩は驚いた表情をした。
桃｢…なんで、こないな目に遭ってるんですか。｣
真っ暗な瞳をじっと見つめて問いかけた。
重岡先輩の瞳は一瞬怯えたように揺れて、俺から逃れようとする。
それを、両手で彼の顔を挟んで阻止すると。
赤｢…あんたには関係ないやろ！｣
重岡先輩は声を荒らげて、俺の両手を振り払った。
桃｢…っ、｣
驚いて固まってしまうと、重岡先輩は申し訳なさそうな顔をした。
でも、否定する口調は変わらないまま。
赤｢き、君みたいな子には一生分からへん…分かるわけない…｣
悲しそうに言う、彼の表情が目に焼きついた。
*.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 351人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
パロトコル - 更新待ってます (2016年8月21日 15時) (
レス) id: b4041e8849 (このIDを非表示/違反報告)
鶴丸。(プロフ) - 切ない切ない(;Д;)(;Д;)切ない系大好きですけど、ここまでとは。。。心がぎゅってなります(;Д;)(;Д;) (2016年8月15日 15時) (レス) id: d5bb65c9f1 (このIDを非表示/違反報告)
こたしげloveeeeeee(プロフ) - お気に入り追加しました！更新頑張ってください！ (2016年8月14日 2時) (レス) id: e703a70e5b (このIDを非表示/違反報告)
るう(プロフ) - こ〜ゆ〜お話大好きなんで楽しみにしてます( ; ; )しかもこたしげちゃんで、、、！更新楽しみにしてます｡頑張ってください！！ (2016年8月14日 1時) (レス) id: 3dbd52da71 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：常田 | 作成日時：2016年8月14日 0時
