人形達はリアル人形になりたくない【ツイステ】 (ページ5)

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髪は回収されたページ5

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「ほら、サクラ。起きる時間だぞ～。」

「ん～…？」

聞こえてきた声に目を覚ました私は唸りながら目を擦るが、基本的に寝起きが悪い私は意識はあっても五分ぐらいお布団の住人である。とゆうか寝てる。
なのでいつもなら再び夢の世界へレッツゴーなのだが、ジョギン！というすっごく近くで聞こえた音に頭が一気に覚醒する。上から聞こえたので慌てて上を見るとトレイ・クローバー先輩が居た。寝起きが悪い私はトレイ先輩に起こされるのが日課なので部屋に居るのはいい。いや、いちゃダメなんだろうけど。まぁそこは置いといて。

そしてトレイ先輩を見た私はお目まん丸だと思う。なぜって？私の髪の毛持って、鋏で切ってるからです。……なんで？？

私が起きた事に気付き、珍しく起きたな～なんて笑いながらその手は私の髪の毛をジョキジョ中である。なにこのシュールな光景。
私は恐る恐るトレイ先輩に聞く。

「ト、トレイ先輩…。何で私の髪を切ってるんですか…？」

「ん？ああ。サクラの髪が0.45mmぐらい伸びてたからな。サクラの最高に美しい姿がこのままじゃ崩れてしまうだろう？だから切ってるんだ。安心しろ。0.45mm以上は切らないからな！」

何に安心しろと？
トレイ先輩、その爽やかな笑顔やめて下さい。てか何0.45mmって。見たらわかるの？わかんないよね？トレイ先輩なんか特別な目でも持ってんの？サーチアイ？？とゆうかなぜ私が寝てる時に髪切ってんの？理解不能過ぎて頭がジェットコースター。

私が思わずスペースキャットになってると髪切りが終わったらしく、トレイ先輩によって毛先が整えられてる。変わんないよ。
床に落ちた髪を拾うトレイ先輩を見ながら年々この人ヤバくなってくな、と私は思った。

私がこの学園に特待生として来た時。私は一緒に来た幼なじみであるセレーネと寮もクラスも離れてしまい絶望に打ちひしがれたのだ。だって私は一人じゃ何も出来ない。制服すらまともに切れない。やばいって？私はこうやって生きてきたの！
でも流石に今回はヤバい。セレーネと離れてしまったら私は一人で制服やら何やらしないといけなくなる。出来る気が全くしない。そんな私を救ってくれたのはこのヤバい行動したトレイ先輩です。最初は良かったんだよ。でも今じゃ私を完璧にお人形扱いしてくる。人形だろって？うるさいそういうことじゃない。

あのトレイ先輩はどこに行ったのか、と私は遠くを見た。