人形達はリアル人形になりたくない【ツイステ】 (ページ12)

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敵視はされてるけどマトモな会話は出来るようになったページ12

「いくらエースくんでもセレーネをバカにするなら…嫌いになるよ」

サクラのこの一言で空気が張り詰めた

それこそエース君なんて目を見開いて固まっている

まぁそれは私も例外ではなく

まさかあの温厚なサクラが此処まで怒るなんて…しかも自分の為に

トゥンク…という少女漫画あるあるな効果音が私の心の中で鳴り響いた

こんなアホみたいな環境で育ってたくましくなっても可笑しくはないけど…

成長したなぁ、サクラ

頭が冷えて正気に戻った私はとりあえず謝る事にした

いくら向こうから喧嘩吹っ掛けてきたとはいえ後輩相手に熱くなりすぎた

「えっと…ごめんね？

私が大人気なかったわ」

「いや…俺も言い過ぎました」

お、意外と常識人なのでは？

表情からして本当に反省しているように見えるし

「けど次からはぜっったいサクラ先輩は渡しませんから」

「君学習って言葉知ってる？？」

誰だよこいつの事常識人って言った奴

ハイライト戻ってこい頼むから

最早呆れすぎて怒りすら沸いてこない

もうどうにでもなれ(ヤケクソ)

「ソウルもごめんね

私のせいで恥ずかしい姿させちゃって」

サクラの足元で様子を窺っていたソウルにそう伝えると、にぱーっという文字が背景に写りそうな程に良い笑顔をした

…こんな無垢な子になんて事をさせたんだ私は

「セレーネ本当にごめんね

何から何までしてもらって」

「いつもの事でしょ

あ、掃除終わったって先生に伝えに行ってくる」

「私も行く！」

「先輩は座ってて下さい

またあのモノクロ教師に怒られるかもしれないし…俺とセレーネ先輩で行ってきます」

「んじゃエペル君はサクラと留守番宜しく」

「は、はい！セレーネサンがそう言うなら…」

うんうん、やっぱり常識度で言うとエペル君がダントツでマシだね

それとも他がレベチなだけか

「サクラ先輩とはいつから一緒だったんすか」

「え？あー……いつからだっけ？

物心ついた頃には既に遊んだり世話焼いたりしてたから

親同士が友達だったのもあるんだけど」

「良いな～羨ましい…俺セレーネ先輩になりたかった…」

さっきまでの威圧感は一体何処へやら

こう見ると健気な男子高校生なのに内面が…ね

仮に君が私だったらサクラ流石にメンタルブレイクしてるんじゃないかな

ちなみにクルーウェル先生私とエース君が口論してるの知ってた

此処まで聞こえてたぞ駄犬共だって、やったね