私が君に伝えたい事。【歌い手】 (ページ3)

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余命九日。ページ3

ｶﾞﾗｯ

そういう無慈悲な音を聞きながら、入院を始めた君を見ながら病室へ入る。

何処か遠い場所を見ていたAだけど、僕に気付くと、パッと、花の様な笑顔で僕を見る。

……もちろん、寝たままだけど。

彼女の周りは、たくさんの機械で溢れていた。

なんでそんなになっていても、笑顔で僕を見れるのだろうか。

………知ってるよ。

僕が此処に入る前、泣いていたの。

…どうして頼ってくれないんだろう。

そんなに辛いなら、頼ってほしい。

迷惑なんかじゃないから。

どんなに辛い事でも、誰かと分かち合えば、楽になると思うから。

………なんて、格好いい事を言えたら、どんなに楽だったか。

そう、心の中で後悔し、楽しそうにしている反面、悲しそうにもしている君の話を、黙って、僕は聞いていた。