私が君に伝えたい事。【歌い手】 (ページ11)

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余命一日。ページ11

会話文多め
.*+∴.*
今日はなぜか面会遮断じゃなかった。

いつもみたいにAに会いに行く。

ｶﾞﾗｯ

そこには、目を疑うほどのたくさんの機械に繋がれたAが居た。

目を閉じて、静かに息をするA。

«ﾋﾟ､ﾋﾟ､ﾋﾟ､ﾋﾟ»という、規則的な音が、否、音だけが、彼女が生きていることを知らせていた。

すると、急に彼女が、目を閉じたまま、静かに話し出した。

『あのね…？私…まふに…隠し…てたこと…が…あってね…』
「もういいよｯ…！お願いｯ喋らないでｯ…」
そう頼むも虚しく、彼女は話し続ける。
『余命…あってね…？もう…死んじゃう…の…だから…ね？』
「辞めて…辞めてよぉ…苦しいのに…言わなくていいよッ…？」
『もう…死んじゃうから…伝えたい事を…言お…うと思って…ね…？』
「ッ………」
『本当に…ありがとう…！あと…＿＿＿出来なく…て…ご…めｯ……』
「そんな事…ないのに…僕は…！！」
«ﾋﾟｰｰｰｰｰｰｰｰｰ»
終わりの見えない電子音で僕の呟きは掻き消され、彼女の命が終わった事を、無理矢理にでも感じさせられた。

彼女は、最期まで。とても美しい笑顔でいた。

僕の、大好きな笑顔で、去っていった。