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「フー、フー」

息が乱れる。全身が燃えるように熱く、意識も混濁しつつあった。

「(な、なにこれ…)」

“通り過ぎた何か”は、もう見えない。私は、刀を持ち直して前に進んだ。
今なら、今の私なら−きっと、やれる!



「口寄せの術…?」

耳飾りの剣士が、不思議そうに小首を傾げる。対する私は、こくりと頷いた。

「神子は、口寄せの術––即ち、霊を取り込むことができるんです。力があればあるほど、その口寄せの術は高精度なものになります。

と、言っても…信じてもらえませんが」

情けなく笑う私に、耳飾りの剣士は傍にある岩に腰かけた。

「…その話、ぜひとも詳しく聞きたい」

耳飾りの剣士はそう言うと、真剣な眼差しで私を見つめる。初めて見る反応に、私は驚かされた。



「(…そうだ、口寄せ––)」

この空間の中を進めば進むほど、私の知らない"私の記憶"が脳内に流れ込んでくる。
否、今はもう––私の体じゃない。"私の体"だ。

きっと––この先に––あの人が、いる。
あの時、耳飾りの剣士とともに仕留め損ねた––鬼舞辻無惨が。

全身に血が巡る。体は熱いのに、頭は冷静。
視野が––世界が広く見えるこの感覚は、いつぶりだろうか。



「鬼狩りに––なろうと思った、きっかけってなんですか?」

私の問いかけに、耳飾りの剣士は何も答えない。動揺しているかのように、花札のような耳飾りが音を立てて揺れた。

「…あ、いえっ。言いたくないなら…大丈夫です…!」

不躾なことを聞いてしまった。私は話題をそらすように、違う話にすり替えた。

「あっ、えっと…口寄せの術––のことなんですけど…
これ、"人間だけ"にしか効果を発揮しないんですよ!
鬼となった人間の口寄せは、できないんです」

鬼となった人間は、死んでいない。死ねない。
だから、口寄せをそもそも使うことができない。

「…口寄せをした場合、その者の記憶や技も伝授––できるのか?」
「…はい。その人本来の精度よりだいぶ劣りますが…不可能ではないです」

私がそう答えると、耳飾りの剣士はふと視線を落とす。何かを––考えているように見えた。

「なら、この耳飾りを目印に––」

–––もし、鬼舞辻無惨に"人間として倒された時"
口寄せの術を使って欲しい–––。

流れ込む記憶の中、目の前にいるのは––

「……っ! 炭治郎!」

___

話が暴走しましたので、後日修正します。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎 , 我妻善逸   
作品ジャンル:アニメ
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こっちん - 夢主ちゃんが、フジザクラの呼吸が使えるかもしれないということが出てきて、さらに、希少な稀血に前世の記憶があり?というのがあって、夢主ちゃんの正体はなんなのか、続きが気になって仕方がありません!!!更新、頑張って進めてください!!!待っています!!! (2019年8月24日 21時) (レス) id: e1802d5515 (このIDを非表示/違反報告)
SORA(プロフ) - あいうえおさん» 誤字のご指摘ありがとうございますT T (2019年7月28日 22時) (レス) id: 04a1197c90 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 「宇随」ではなく「宇髄」ですよ。 (2019年7月28日 21時) (レス) id: d4ea0d195c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:3939462xx | 作者ホームページ:https://twitter.com/SORA_39xx  
作成日時:2019年7月23日 8時

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