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「(ほんの一部だけど、思い出した––)」
そうだ、私は––。私の前世は––。
落ちた先には、さっき見てた記憶と同じく––鬼たちのいる輪の中。
魑魅魍魎−色んな姿形をした鬼たちが、よだれを垂らしながら私を見ている。足元には、破れてしまった紙がふわりと落ちている。
そうして鬼は、私に目を向けると一斉にこう言った。
「人柱!」「人柱だ!」と––。
フジザクラの息遣い––で唯一ある技は、今ここでは使えない。この技は、最終的な戦い––無惨戦に残しておく必要があるから。
「(技は使えなくても、鬼を狩ることはできる)」
耳飾りの剣士のような剣さばきは無理でも、それに近しい技なら––!
月明かりに照らされてもないのに、手にした小太刀がじんわりと色を帯びていく。藤の花とも、桜の花とも捉えることができる––不思議な色。
心なしか、ゆらゆらと––蜃気楼のようなものさえ見えてきた。
理性のない鬼が、一斉に群がる。私は深く息を吸い込むと、横一閃に鬼の硬い頸を斬り落とした。
ごろり、と重量のある音が聞こえる。やがて、鬼の頸や胴体は、スゥーっと灰になって消えて行った。
ホッとしたのも束の間。何か––素早いものが、私の身体を刻む。残像すら追えなかったソレが、何だったのか知る由もなかった。
自分の血がぼたぼたと床を汚す。それは、刀にも付着した。
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こっちん - 夢主ちゃんが、フジザクラの呼吸が使えるかもしれないということが出てきて、さらに、希少な稀血に前世の記憶があり?というのがあって、夢主ちゃんの正体はなんなのか、続きが気になって仕方がありません!!!更新、頑張って進めてください!!!待っています!!! (2019年8月24日 21時) (レス) id: e1802d5515 (このIDを非表示/違反報告)
SORA(プロフ) - あいうえおさん» 誤字のご指摘ありがとうございますT T (2019年7月28日 22時) (レス) id: 04a1197c90 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 「宇随」ではなく「宇髄」ですよ。 (2019年7月28日 21時) (レス) id: d4ea0d195c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:3939462xx | 作者ホームページ:https://twitter.com/SORA_39xx
作成日時:2019年7月23日 8時