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「あら、もうお帰りになるんですか?」

外に出れば、白猫と戯れているポニーテールの女の子−がいた。

「あ、はい…。もう回復したので…」

お礼を言おうとした時、女の子はまた微笑んで−まるで蝶が舞うかのように、私の前にふわりと降り立つ。

ふわっと香るこの空気は…何…?
頭がぼーっとする…やけに独特な香り。

女の子の手には、小さな小瓶が握られていた。

「そうですか…。また、何かあったら…
いつでもいらしてくださいね(・・・・・・・・)
「は…はい…」

女の子は妖艶に微笑むと、私の横をすっと通り過ぎる。
さっきまで漂っていた香りは、まるで風に吹き消されたかのように−もう消えていた。



一人で林道を歩いていたとき。ふわっと、また何かが香る。
今度は、藤の花みたいな…桜みたいな…甘い香り。

「…」

私は導かれるように、その道へ足を踏み入れた。整理されていない、ごつごつで荒々しい獣道。
奥に行けば行くほどその香りは甘くなり…、拓けたところにたくさんの藤桜が咲いていた。

「わあ…」

藤桜−幼少の頃に、一度見たことがある。下から見上げた藤桜はとても大きく、藤色の枝垂れ桜−または桜色の藤−とも見える、その幻想的な光景に目を奪われた。

「(懐かしい…)」

風が吹くと、花が揺れて甘い香りが漂う。私は花に手を添えて、その香りを楽しんだ。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎 , 我妻善逸   
作品ジャンル:アニメ
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こっちん - 夢主ちゃんが、フジザクラの呼吸が使えるかもしれないということが出てきて、さらに、希少な稀血に前世の記憶があり?というのがあって、夢主ちゃんの正体はなんなのか、続きが気になって仕方がありません!!!更新、頑張って進めてください!!!待っています!!! (2019年8月24日 21時) (レス) id: e1802d5515 (このIDを非表示/違反報告)
SORA(プロフ) - あいうえおさん» 誤字のご指摘ありがとうございますT T (2019年7月28日 22時) (レス) id: 04a1197c90 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 「宇随」ではなく「宇髄」ですよ。 (2019年7月28日 21時) (レス) id: d4ea0d195c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:3939462xx | 作者ホームページ:https://twitter.com/SORA_39xx  
作成日時:2019年7月23日 8時

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