ページ ページ25
.
「そうなんですか…。すごく、綺麗ですね」
白いような桜色のような––薄い藤色のような、奇妙な色を持つ小太刀。
最初は、護身用に持たされたのだと思っていた。
「Aさん。あなたには––剣士としての才能や素質が––あると思うんです。
鬼殺隊員になりませんか?」
突拍子もない提案。––私は、開いた口が塞がらなかった。
「いえ、私は––。包丁以外の刃物を持ったことがなくて––」
断る理由を探す私。しのぶさんは私の話を聞きながら、また一歩距離を詰める。
「これは私の憶測ですが––あなた、前世の記憶を––お持ちではないでしょうか」
前世の、記憶。
押し黙ったままの私を"肯定"と捉えたのか、しのぶさんは淡々と話を進める。
「鬼を倒した時––思いました。
刀を初めて持つ人間の手さばきとは思えないんです」
「あれは、恐らくマグレだと––」
「マグレで刀が扱えたら、この世に厳しい鍛錬は存在しませんよ」
ばっさりと切り捨てられた私。
「…あなたが嘘をついているようには、見えないんです。
刀を使えない言い分と、刀を扱い、鬼を滅した事実––。
あなたが、善逸君と同じ人なら––また話は変わりますが」
しのぶさんは最後に、「よく考えてくださいね。おやすみなさい」と言い残し––私の前から姿を消した。
97人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こっちん - 夢主ちゃんが、フジザクラの呼吸が使えるかもしれないということが出てきて、さらに、希少な稀血に前世の記憶があり?というのがあって、夢主ちゃんの正体はなんなのか、続きが気になって仕方がありません!!!更新、頑張って進めてください!!!待っています!!! (2019年8月24日 21時) (レス) id: e1802d5515 (このIDを非表示/違反報告)
SORA(プロフ) - あいうえおさん» 誤字のご指摘ありがとうございますT T (2019年7月28日 22時) (レス) id: 04a1197c90 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 「宇随」ではなく「宇髄」ですよ。 (2019年7月28日 21時) (レス) id: d4ea0d195c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:3939462xx | 作者ホームページ:https://twitter.com/SORA_39xx
作成日時:2019年7月23日 8時