フジザクラの息遣い

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要保護監視––扱いとなった私。
あの後貧血による失神で、私はまた蝶屋敷にて––数日お世話になっていた。

*

同刻。
お館様抜きで開かれた柱合会議。

しのぶの手には、私の血が入った小瓶と––書類があった。

「藤木Aさんの、血の解析が完了しました。
今から––その発表を行います」

採血した日から、しのぶは単独で私の血の解析を進めていたらしい。

「彼女は鬼たち––の言う通り、希少な稀血を持つ人間です。そしてこの稀血の効能は––」

厳粛な雰囲気の中で、しのぶは淡々と事実を伝える。それを知った柱たちは、皆大きく目を見開いていた。

*

「…そういえば、炭治郎くん。ヒノカミ神楽って、何ですか？」

お見舞いに来てくれた炭治郎くん。その手には、少し小さめに握られたおにぎりの包みがあった。

「俺の家、炭焼き屋なんです。それで、年に一度––安全にお仕事できますようにって、神様に舞を踊るんです。一日中」

ニコニコと話す炭治郎くん。私の––不死桜の舞と、いくつか共通点がある。

「あ、浅草の舞、見てました！あの舞が、以前言っていた不死桜の舞––ですか？」
「はい。不死桜の舞は––、無惨に散る桜の花びらが無いように––散る命が無いように、お祈りする舞なんです」

この舞を踊る理由は––小耳に挟んだ程度だったけど、添い遂げる相手や家族を護るため––と聞いたことがある。

「そうなんですか！ すごく、素敵ですね」

笑顔で穏やかに言う炭治郎くん。彼のその表情と声に、私は嬉しい気持ちになった。

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