第3話 稀血の者 ページ13
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「…コイツを本部に連れていくだァ!?
地味にバカなことを言ってんじゃねえ!」
炭治郎たちに怒声をかける宇髄。
私の止血は無事完了し、神子装束は汚れたもののすっかり傷も塞がった。
「でもカラスが…」
おろおろする炭治郎。
「…まあ、良い…。お館様が命じたなら、異論はねえ。
だが、お前。お館様の前で鬼になってみろ。ド派手に、その頚を地に落とす」
宇髄はそう吐き捨てると、音も風も立てずに移動を始めた。
「背負って行くんで、乗ってください」
そう声をかけたのは、意外にも善逸。尤も、この場において善逸しか彼女に声をかけられなかった。
炭治郎はすでに禰豆子を背負っているし、伊之助は宇髄を追いかけて遥か向こう。良い意味でも悪い意味でも女好きな善逸しか、私に声をかけられる人はいない。
「え?でも、この程度の傷なので歩けますよ」
「歩いてたら、朝日が昇っちゃうんで。それに、怪我してる女の子を歩かせるような真似は、したくないです」
男を立てるのが得策。私は、お言葉に甘えて善逸くんの背中に乗った。
「(ひいいいいい、重かったらごめんなさいいいい)」
心の中で泣き事を言いながら。
*
あっという間に着いた本部。––以前訪れた蝶屋敷も、少し前に見た。
「あら。お久しぶりですね、Aさん」
そう言ってにこやかに話しかけたのは、以前治療をしてくれた女の子だった。
「緊急柱合会議と聞いて、急いで飛んできたんです。一体、どんな会議になるんでしょうね」
ではお先に。と言い残し、屋敷の中に入った蝶々の女の子。私たちもその中に足を踏み入れた。
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こっちん - 夢主ちゃんが、フジザクラの呼吸が使えるかもしれないということが出てきて、さらに、希少な稀血に前世の記憶があり?というのがあって、夢主ちゃんの正体はなんなのか、続きが気になって仕方がありません!!!更新、頑張って進めてください!!!待っています!!! (2019年8月24日 21時) (レス) id: e1802d5515 (このIDを非表示/違反報告)
SORA(プロフ) - あいうえおさん» 誤字のご指摘ありがとうございますT T (2019年7月28日 22時) (レス) id: 04a1197c90 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 「宇随」ではなく「宇髄」ですよ。 (2019年7月28日 21時) (レス) id: d4ea0d195c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:3939462xx | 作者ホームページ:https://twitter.com/SORA_39xx
作成日時:2019年7月23日 8時