第1話 命の恩人 ページ2
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あんなに大きかった鬼を剣戟一つで仕留め、あたりにはホロホロと黒焦げた灰が舞う。
「大丈夫ですか?」
木箱を背負った男の子–優しい目をした男の子が、穏やかに微笑む。
その笑顔に安堵したのか、それとも疲れから解放されたせいか––
私は、少年の問いに答えることなくその場で意識を失った。
*
次に見たのは真っ白い天井––と、蝶々の髪飾り。
「目を覚ましたんですね、良かったです」
優しい笑顔––の女の子が、私に微笑む。すごく可愛い女の子。
「…あの、ここは…?」
ふかふかの白いベッド。あたりを見渡せば病院…のような室内が広がる。
「ここは、私の屋敷です。
どうぞ、ゆっくり過ごしてくださいね」
女の子はそれだけ言うと、ポニーテールを揺らしながら部屋を出る。真っ白い空間に残された私は、とりあえず歩こうとベッドから出た。
「あ、良かった!起きたんですね!」
出入り口のところには、昨夜の少年が立っている。その後ろには、気弱な金髪の少年と喧嘩っ早い黒髪の男の子がいた。
「…あの、昨日はありがとうございました」
赤髪の少年にお礼を言うと、その子は安堵するように穏やかに笑った。
「いえいえ!
まだ気分も優れないでしょうし、安静にしててくださいね!」
男の子はそう言うと私に手を振る。だけど、その後ろにいる金髪の少年は、私の顔をじっと見て固まっていた。
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こっちん - 夢主ちゃんが、フジザクラの呼吸が使えるかもしれないということが出てきて、さらに、希少な稀血に前世の記憶があり?というのがあって、夢主ちゃんの正体はなんなのか、続きが気になって仕方がありません!!!更新、頑張って進めてください!!!待っています!!! (2019年8月24日 21時) (レス) id: e1802d5515 (このIDを非表示/違反報告)
SORA(プロフ) - あいうえおさん» 誤字のご指摘ありがとうございますT T (2019年7月28日 22時) (レス) id: 04a1197c90 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 「宇随」ではなく「宇髄」ですよ。 (2019年7月28日 21時) (レス) id: d4ea0d195c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:3939462xx | 作者ホームページ:https://twitter.com/SORA_39xx
作成日時:2019年7月23日 8時