05【約束と嘘つき】 ページ7
油揚げを持っての参拝が日課になって一週間が経とうとしていた。
あんなに気味悪がっていた神社が、どこか安心できる場所のように思え始めたのは北さんの存在が大きい。
バレーの話で結構盛り上がってからは、意気投合……とまでは行かずとも楽しくお茶菓子と一緒にお話しして楽しいものである。
「だけど、得体の知れないとこがあるんだよなぁ、北さん……」
しゃっかしゃっかと日の落ちた道を走る。
いつもより遅くなったのは、男バレのスナと一緒に帰りにコンビニでアイスを食べてたから。あと、スナのアイスが当たりでもう一本もらってたから。なーんてちょっとラッキーな話もおまけである。
こういう夕暮れ時の太陽の色は、どこか北さんの目の色を思わせる。
赤茶色と言うか、綺麗で、それでいて時折ぞくぞくするような感じ。カラスの鳴き声が耳を擽る山道に足を踏み入れて、それで私は何か不安な気持ちを覚えた。
今日で油揚げを納めるのも終わりだけど、ちゃんとお礼を言おう。そう思いながら薄暗い道を進む。
『おばけなんていないよ』
『いる』
『いない!』
『みえてないだけだもん』
『おみくんにはみえるの?』
『みえるよ』
『ふぅん』
背中から何かが迫ってくるような、そんな不確かな感覚。
ストーカーって多分、こんな感じだ。と思いながら足を速める。だけど向こうも早足になるから、私は走り出した。ヤバい、ヤバい。と心臓が早鐘を打つ。
ざわざわと木々が揺れて、足元がぐにゃりと歪むような感覚を覚えた。
いけないと分かっていても振り返った自分を、恨む。
そこにいたのは、まぎれも無い異形であった。
【約束と嘘つき】
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藤浪(プロフ) - merisuさん» 初めまして!とても面白いだなんて……ありがとうございます!ぼちぼち書いていきますので、どうぞのんびり更新をお待ちください……! (2021年8月20日 20時) (レス) id: a6c7f148a0 (このIDを非表示/違反報告)
バボ - はじめまして!!一気読みしました!!いやぁ、侑君と治君めちゃくちゃかっこいいし、可愛いですね!とても面白かったです!!続き待ってます。頑張ってください! (2021年8月19日 22時) (レス) id: f5aeefa10b (このIDを非表示/違反報告)
merisu(プロフ) - はじめまして。とても面白い作品をありがとうございます!!続きを楽しみに待っています(^^)更新頑張ってください!! (2021年8月19日 19時) (レス) id: bbb64c35b8 (このIDを非表示/違反報告)
藤浪(プロフ) - mioさん» はじめまして!嬉しいお言葉、ありがとうございます。もふもふいいですよね、もふもふ……。聖臣くんを書くのもとても楽しみなので、のんびりご覧いただければ幸いです!! (2021年8月8日 6時) (レス) id: 0698c9c155 (このIDを非表示/違反報告)
mio(プロフ) - 初めまして。とても面白かったです!もふもふ触りたい……。聖臣くん登場するのも楽しみにしております (2021年8月6日 20時) (レス) id: e44c41366c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤浪 | 作成日時:2021年4月28日 22時