いもうと*縁壱side ページ34
鬼の気配がする方へと急ぐ。近付くにつれ、禍々しい気配を感じる。
もう少し……………!?
気配が消えた?!
その場所へ辿り着くと、其処には血だらけの人が倒れていた。
星が描かれている髪飾りが光っている。私の耳飾りとよく似た物だ。
まさか、そんな……!
「Aッ!!」
駆け寄ると微かに反応を見せた。
「あに……う……え」
抱き上げると、身体中が異様に熱くなっているのがわかる。そして、その顔には、私や兄上と似通った痣がハッキリと浮かび上がっていた。
「A、お前までも、痣者に……!」
息が出来ていない。内臓を大きく損傷している……このままでは、命を落としてしまう危険があるかもしれない。
間に合え………!
「兄……上………」
「喋るでない!」
「………。」
何か伝えたい事があるのか、さっきから何度も俺を呼ぶA。
無我夢中で走っている俺には、聞いてやれる自信が無い。
ただ、とにかく助かって欲しい。
それだけの思いで、星空の下を走り抜けていった。
今まではAが居た場所に、ボロボロになったAを運び込むのはやはり違和感でしかなかった。
瞬く間に呼吸を会得し剣士となった彼女は、少し前まではここで怪我をした者達の世話をしていたのだ。
駆け込んできた俺に気付き、驚いた顔を皆がこちらに向ける。
「縁壱殿……!?」
「一体、どうなされた?!」
「……この方は?」
口々に問いを投げかけつつも、せっせと手当てに取り掛かる。大した者達だ。
ひと呼吸置いてから、俺は静かに答えた。
「…………妹だ。内臓をやられてしまった」
その場にいた者達に、凍り付く程の衝撃が走った。
この血塗れの者が、ついこの間まで共に働いていたあのAなのか……!?
彼等には、顔を丁寧に拭き取ってやらなければ、誰なのか判別がつかなかった。
しかし確かに、今我々が手当てをしているこの重症の者は、治療所をいつも明るく活気付けていた仲間だ。
皆がそう気付き始め、必死で治療に専念した。
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藤葛(プロフ) - レモンティーさん» ありがとうございます! 自粛開けもちまちまと更新していきますのでこれからもどうぞよろしくお願いします(*^^*) (2020年5月30日 21時) (レス) id: 3bacfd04fc (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー - この作品大好きです!!なんせ緑壱さんが推しなもので…(´∀`*)更新頑張って下さい!! (2020年5月30日 21時) (レス) id: 0820e3db89 (このIDを非表示/違反報告)
藤葛(プロフ) - 澪さん» わああ……ありがとうございます!めちゃめちゃ嬉しいです!!とても励みになります……頑張りますのでどうぞよろしくお願いします!! (2020年5月20日 7時) (レス) id: 3bacfd04fc (このIDを非表示/違反報告)
澪 - すごく好きです継国兄弟…こういう設定のもの大好きです…いいものを見させていただきました…ありがとうございます…!!頑張ってください!応援してます! (2020年5月20日 3時) (レス) id: c921836d0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤葛 | 作成日時:2020年5月17日 4時