【鬼滅の刃】兄様、兄上、お助けくださいっ！！【継国兄弟】

熱を孕む ページ32

やめて………！

傷口を抉られ、激痛に悶える。

「うっ……！！」

ドクン、ドクンと心臓の音が私の中に鳴り響く。

ジワジワと広がっていく、『別の血』の感覚………。
やはりこの鬼は、全ての元凶だったのだ！

この血を受け入れてしまえば、私はもう……人間ではなくなってしまう。

そんな………嫌だ！！

私は人間！ 私の名前は、継国Aだ！！


「Aか……いい名だ」

「えっ…………」

痛みに耐えつつ、目だけで奴を見上げる。
どういう事？ 苦しくて声も出ないのに……！

「恐ろしい程の順応速度だ。私も正直驚いたよ」

順応……！
嫌だっ！！ 鬼になんてなりたくない！！

鬼になるくらいなら、戦って死んだ方がずっとマシだ！！


「スウゥゥゥウウウ」

お前の手下となるくらいなら………
この命、全て燃やし尽くしてやる！！

日輪刀を握る手は、絶対に離さない。

何度だって立ち上がれ！ A！
私は……何の為に生まれてきたの？！


身体中の血管という血管が、はちきれそうな程にまで
血潮が滾ってきたのがわかった。

この鬼よりも、この鬼の血よりももっと、熱く激しい溶岩となって……此奴の全てをも溶かし尽くしてやる！！



私が編み出した私だけの奥義、『星の呼吸』。
日の呼吸の派生の一つに過ぎないが、その本質は大きく異なる。

まず、私が刀を手にしてからまだ日が浅い事を前提に移動速度と体力の上昇、そして敵の目を眩ませる攻撃が最大の基盤となっている。

そして女である私には筋力もない。しかし、太刀筋を工夫して極めるだけで、身のこなし方による身体への負担は格段と減った。

この手に握る強力な武器は、決して刀だけなのではない。
兄様方から受け継いだ力、そして想いだ！！

……例え身体の内側がぐちゃぐちゃになっていようと手足が健在なのだからまだ戦える！！


『星の呼吸・伍ノ型、星河一天！！』

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