ひとり新たに ページ21
まさに、見様見真似で振ったごく普通の刀。
しかしそれは、まばゆい光を放ち、閃光の刃となって男の身体中を切り刻んだのだ。
あの直後、偶然その場に居合わせた剣士と落ち合ったからか、謎の男の姿は無くなっていた。
けれど確かにこの目で『それ』を見ていたと言う兄様方の同僚は、興奮を隠せぬ様子で、その出来事についてを熱く語った。
その者の話を聞き、私を取り囲むように集う剣士達は感嘆の声を上げる。
「……よもや、A殿まで『呼吸』を会得されていたとは！！」
彼等の勢いに押されそうになりつつも、やんわりと否定する。
「いえ、あれはただの見様見真似です。
指南も受けておらず、普段鍛錬もしていない女である私の様な者に、あの様な紛れが起こる事は、二度とないでしょう」
そう、私は彼等とは違って、何の努力もしていない。
剣技の指南すら受けていない。
だからこそ、あの時の事を思い返せば返す程、傾げる首の角度が大きくなってゆく。
確かに無我夢中で祈りはしたが、いざ本当に素晴らしい力を発揮出来たという実感が湧くと、本当に不思議でならない。
あれは私がした事なのか？ またいつもの様に、兄様か兄上に助けていただいたのではないのか……？
考えてもわからない事は、考えないようにした。
それよりも更に気になる事があるから。
兄様方の元に、この事が伝わったら………。
彼等は一体、何を感じ、どう思われるのだろうか。
心臓の鼓動が大きくなる。
私は小さな人だかりの中にひとり、孤独だった。
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藤葛(プロフ) - レモンティーさん» ありがとうございます！ 自粛開けもちまちまと更新していきますのでこれからもどうぞよろしくお願いします(*^^*) (2020年5月30日 21時) (
レス) id: 3bacfd04fc (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー - この作品大好きです！！なんせ緑壱さんが推しなもので…(´∀`*)更新頑張って下さい！！ (2020年5月30日 21時) (レス) id: 0820e3db89 (このIDを非表示/違反報告)
藤葛(プロフ) - 澪さん» わああ……ありがとうございます！めちゃめちゃ嬉しいです！！とても励みになります……頑張りますのでどうぞよろしくお願いします！！ (2020年5月20日 7時) (レス) id: 3bacfd04fc (このIDを非表示/違反報告)
澪 - すごく好きです継国兄弟…こういう設定のもの大好きです…いいものを見させていただきました…ありがとうございます…！！頑張ってください！応援してます！ (2020年5月20日 3時) (レス) id: c921836d0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤葛 | 作成日時：2020年5月17日 4時
