藤ノ花ヲ食ベテ【鬼滅の刃】 (ページ33)

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しばらくはこの蝶屋敷でのお仕事を教えてもらっていた

アオイ様という人はとても働くお方で、厳しくも優しい人

薬の棚の場所、薬の配置、薬の塗り方

包帯の場所、包帯の巻き方

どれも丁寧に教えてくれて早く覚えられたと思う

これもアオイ様が練習に付き合ってくれたから

最初の内は私が鬼という事もあってどこか素っ気なかったけれど、今では優しい

お洗濯を手伝えない私を慰めてくれたし

お茶をする休憩時間、私だけ何も飲めないのは可哀想だとしのぶ様に相談して藤の花を使用したお茶を作ってくれた

感謝してもしきれない程の恩

『アオイ様、いつもいつもありがとうございます。アオイ様のおかげで仕事も身についてきました！』

「感謝される様な事はしていません
覚えが早いAに感謝したい位ですから」

声音は冷たく聞こえるけれど、その言葉は私の心を暖かく包んでくれた

アオイ様の言葉はとても好き

はっきりと思った事を伝えてくれる

だから、言葉が交わしやすい

言われないより言われる方がいいから

「A、新しく怪我人が運ばれてきます
ベッドのシーツを整えておいてくれますか？」

『はい！その他にやることは？』

「特にはなかったはずです
ゆっくり体を休めてくださいね」

『わかりました。アオイ様もお体には気をつけてくださいね…？』

早歩きで患者様のお部屋へ行ってシーツを整える

その他に出来ることがないだろうかと探しているけれど見つからない

アオイ様が丁寧に仕事をしている証

もう少し、お手伝いできるようになればいいな

隊員の人も最初こそは鬼だなんだと噂をしていたけれど今はそんなこと滅多に言われなくなった

なんでだろうと思ってしのぶ様に聞いてみたけれどにこにこと微笑むだけで何も言ってはくれなかった

カナヲちゃんも最終選別が終わり鬼殺隊に入隊してからはお喋りすることもめっきり減ってしまったし

忙しいからしょうがないのかもしれないけれど、なんだかとても…寂しい