藤ノ花ヲ食ベテ【鬼滅の刃】 (ページ31)

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その後色々と話し合っていたお館様と皆様

邪魔をしてはいけないと思って黙っていた

とても真剣な話だし、私には分からない言葉ばかりだったから

そうして数刻経つと柱合会議は終わった

お館様と白髪の女の子たちは奥の部屋へと戻り、緊張の糸が解けたように体を楽にする

そしてすぐにしのぶ様の近くに行った

「あらあら、緊張しましたか？」

『……はい』

こくりと一度頷いてしのぶ様の足に抱き着く

すると頭上からは優しげな声が聞こえる

「初めて来た場であれだけ話すことが出来ればすごいものですよ。とても勇気ある行動です」

「ええ！それに、Aちゃんとってもかっこよかったわ！キュンキュンしちゃったもの！」

しのぶ様と蜜璃様の言葉に安心した

ちゃんと自分の言葉は届いていたんだと

何よりかっこいいと言ってもらえて嬉しい

しのぶ様の足に抱き着くのをやめると背中に当たる誰かの体

ふわりと体を包まれて見えたのは長い黒髪

途中から薄浅葱色に変わっていて、でも似合っているこの髪の持ち主は

『無一郎様』

「うん。癒され中」

むぎゅっと抱きしめられるとどうも癒されているらしい

お腹にまわされている手を優しく撫でる

いっぱい頑張ってる手

同じ位の歳なのに手の大きさがここまで違う

小さくなってるのもあるだろうけれど普通の大きさでも無一郎様よりも小さいと思う

やっぱり顔の整っていて強い人に抱きしめられて恥ずかしくなる

「照れてるの？可愛いね」

向き合う形にされるとまるで悪いことを考えているような笑顔を向けられた

『む、無一郎様…顔怖いです…』

「……生意気」

無一郎様から笑顔が消えると顔が近付いてくる

咄嗟に目を瞑ると額に柔らかい感覚

刀が鞘から抜かれる音

「次は、ここだから」

『へ…』

唇に指を当てられると満面の笑みの無一郎様は私からすっと離れると逃げる様にお屋敷から出ていった