藤ノ花ヲ食ベテ【鬼滅の刃】 (ページ26)

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こ、こここここ…怖い…

さっきからずっと睨まれる

目力が…強い…

殺気のこもったギラギラしてる目…

『あ、あの…不死川様…』

「おい鬼ィ！誰が喋っていいなんて言ったァ？」

『ひっ…す、すみませ…』

そっと小さな声で呼ぶだけでも怒られる

たしかに少しは好きだけれど…

至近距離でのこの顔はすごく怖い…

少しずつ体の震えが大きくなる

目頭も熱くなってきてじわりと瞳が潤ってくるのがわかった

でも…泣くもんか

泣いたら余計に怒られそうだもん

それに私のことを弱虫だのなんだの言って認めてなんてくれないから

目に溜まった涙をぐいっと拭い睨んでくる不死川様を見つめ返す

そしてじりじりと近づく

すると不死川様は後ろに下がっていった

『え………』

だだだ、と不死川様に向かって走って近付きぎゅっと抱きつく

「おいお前…何抱き着いてやがんだァ」

『仲良くなりたいからです！駄目ですか！』

「無理に決まってんだろォ！」

無理だと言われてぐさりと胸に矢が刺さったような感覚

悲しみは強いけれど手は離さないで不死川様に抱きついたまま

それどころか抱きつく力を強める

足に抱きついてるから相当邪魔だろうけど

今はそんなことを言ってる暇はない

早く不死川様と仲良くなりたい！

いっぱい抱きしめてもらいたい！

今まで会った人には手を差し伸べてもらってばかりだから自分からもそうしたいと思った

そう思いながら離れることなく抱きついていると今日で慣れた浮遊感

『さ、実弥様！』

「ちっ…。テメェだけだぞ。仲良くしてやんのはよォ」

『はい！いっぱい仲良くしてください！』

心がほくほくと温かくなって嬉しいという気持ちが溢れる

頬を緩ませながら実弥様の方を向くと実弥様も少しだけ微笑んだ様になって頭を撫でてくれた

荒々しさもありながら、でも優しい撫で方で少し髪型がくちゃっとなったけれど嬉しさが勝っていた