藤ノ花ヲ食ベテ【鬼滅の刃】 (ページ16)

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その後しばらくは蜜璃様の膝の上に乗って他の人と話をした

皆やっぱりいい顔はしなかったけど言葉は交わしてくれて

でも宇髄天元様と不死川実弥様、伊黒小芭内様は苦手だと思った

特に不死川実弥様が怖い

目が…怖い…

殺されそう…

でもそれは同時に鬼を倒すという決意にも見えて、ほんの少しだけど不死川実弥様のことも好き

『んにゅ？』

誰かに頬を抓まれて誰だろうと見上げると時透無一郎様だった

痛い、頬が痛い

「鬼なのに、可笑しな感じがする。君、何者？」

『…ふぉにでふ(鬼です)…』

「藤の花を食べるのは本当？」

『ほんほうでひゅ(本当です)…』

しばらく頬を掴んでいたかと思うと次は抱き上げられた

『み、みみ…み、蜜璃様ぁ！』

「が、頑張って！Aちゃん！」

蜜璃様ぁ……

時透様に抱き上げられながら蜜璃様を見ていると不意に時透様の方に顔を向けられた

そして無言のままぎゅっと抱きしめられる

し、締め殺される…？

でも痛くないから普通の抱擁…な気がする

『時透様…なんですか…』

「………癒されてる」

『…そうですか……』

そう言われるとやめてとも言えなくてしばらくその状態のままいた

時透様の髪、すごく綺麗で羨ましい

手を伸ばして触ってみるとすごくさらさらで触り心地がいい

癒される……

さらさらは癒し

お互い長く癒されていた気がする

『時透様、離してください』

そう言っても離してもらえない、辛い

『時透様』「無一郎」

「そう呼ばないと離さない」

なんて恐れ多いことを言ってくるのこの人

でも離してくれなさそうだし…

『無一郎様、離してください』

そう言ってさらさらの髪を撫でながら言う

「……仕方ないね。はい」

解放されるとじっ、と時透様基無一郎様を見つめる

綺麗な顔立ちをしてて瞳は霞がかってる

でも綺麗

そんな人に抱き上げられていたと思うと今さらになって恥ずかしくなって顔を手で覆いながら蜜璃様の所へと行った