藤ノ花ヲ食ベテ【鬼滅の刃】 (ページ12)

今日:242 hit、昨日:321 hit、合計:1,577,734 hit

・ページ12

起きた後は浴場や厠、あとはしのぶ様のお部屋に案内してもらった

しのぶ様はいなかったけれど…

しのぶ様のお部屋はカナヲちゃんと同様に物が少なくて片付いてる

医療用の器具はあるけれどそれ以外は少ない

目に付くのは大きな金魚鉢

その中で自由に泳ぐ金魚が可愛い

近寄って金魚鉢を覗き込むと美しい赤色が目に入る

相当丁寧に育てているのかその色は鮮やかな色

『わぁ…綺麗…』

しばらく見とれているとカナヲちゃんの方からくすりと笑う声

振り向いてみると私の方を見て微笑んでいた

「喜ぶ姿があまりにも可愛くて。ごめんね」

『かわ、いい？』

あまり自分自身に言われることない言葉に戸惑う

愈史郎様には醜女とまで言われたから

その後珠世様に思いきり怒られてかなり落ち込んでいたけれど

『かわいいって、言われること少なくて…照れちゃうな…』

頬に熱が集中してカナヲちゃんを見れないでいるとガラッと扉が開く音

そこに居たのはしのぶ様だった

「ただいま帰りました。カナヲ、A」

「お、おかえりなさい師範」

『しのぶ様、おかえりなさい！』

しのぶ様が視界に映ると金魚鉢から離れてしのぶ様に抱きつく

落ち着く藤の花の香りが漂ってくる

「カナヲ、案内をしてくれてありがとうございます。今日はもう休んで大丈夫ですよ」

「あ…はい。では、失礼します」

カナヲちゃんはしのぶ様に頭を下げるとこちらに背を向けて歩き出す

咄嗟にカナヲちゃんの着物の袖を掴んだ

「……？どうしたの？」

『あ、のね…えっと…』
『このお屋敷の案内をしてくれてありがとう！カナヲちゃん』

目線を合わせて笑顔でお礼を言う

誰かに何かを教わった時はお礼を言う、当たり前！

「あらあら、随分と仲良くなったんですねぇ」

しのぶ様は私の頭を優しく撫でながら微笑んでいた