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夢主の過去、霧から靄へ、靄から言葉へ ページ19

チャイムが鳴る。
やっと昼休みだ。
僕はボカロ曲をメドレー風にして歌う。
周りからは今話題のドラマやアイドルの話が聞こえてくるけれど、僕はドラマやアイドルよりアニメや漫画、ボカロの方が好きだ。
「雪野さん」
「何?」
クラスメイトの田中さん、僕に何か用なのかな?
「雪野さんって何時も何か歌っているよね、何歌っているの?」
「ボカロ曲だよ」
田中さんの顔が苦くなる。
「どうしたの?」
「いや、それはないなって思って、ボカロって何か機会らしさがあるじゃん」
僕は開きかけた口を閉じる。
確かにボカロには機会らしさがある。
でも、人には出来ないような音や速さなどで歌うことができる。
ボカロにはボカロのいいところがあるんだ。
「ごめん、トイレに行ってくる」
「え、トイレに行くのに鞄は要らないんじゃ」ガラッ
嘘をついた。
僕はトイレに行かず、屋上につながる階段に向かう。
屋上は鍵が掛かっていて、来ても何もないから普通此処には誰も来ない。
一人になるにはうってつけの場所だ。
我は階段に腰かけて、鞄から一冊のノートを取り出す。
開くと、今まで書いてきた数々の曲が出てくる。
目を瞑って、霧を探す。
どんなに遠くにあっても気づけるように、集中して探す。




あった。
霧の近くに行くと、霧は靄になる。
今にも消えそうな靄がかかった何か、そっと触れると言葉が見つかる。
前に本で、霧と靄は実際は同じで、見える距離によって呼び方が違うことを知った。
俺は歌詞の言葉を考える状態を「霧と靄を探す」と呼んでいる。
俺は一つ一つの言葉をノートに書き留める。
そうやって、曲のもとを作る。
「自分の好きが正しい、そう信じて相手の好きを否定する」
「その人達と同じ様に生きる為、同じ色に染まる為に自分を演じる」
「人は皆同じなんて言葉はあるわけがない、そんな言葉大嫌いだ」
どんどん見つかる言葉、曲のもと、僕はそれにあう世界観、舞台を探す。
十分くらいたっただろうか、曲が出来上がった。
今回は異様に速かったな。
帰ったらアニメ三昧かな。
あ、そうだ、曲名を考えてなかった。
よし、この曲は偽善者の色で染まる人達がテーマだから「偽善色」にしよう。
曲名を書き、ノートを鞄の中にしまって教室に帰る。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「偽善色」は僕のもうひとつの作品に歌詞を載せてます。
十七話からとべるので見てみてください。

夢主の過去、自分の色→←二人にボカロの説明


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作者名:水月
作成日時:2020年2月20日 7時

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