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社長が私を呼びつけた理由は、まさしく彼らだった。
何年も日本を離れているうえ、Jrとは言えど夏休みの帰国中にしか活動していない私は無知もいいところだった。
よそよそしく自己紹介をした相手は、かの有名な事務所の大先輩で、隣で眠そうに座る男の子は、その大先輩のご子息だったのだ。
話を聞けば、岡本さんは圭人くんを留学させたいらしく、実際に単身留学している子の話を聞いてみたかったとのこと。
当の圭人くんは今にも夢の中へ入り込んでしまいそうな目をしていて、時折こっくりと船を漕いでいた。
｢留学先の候補はどこですか？｣
健一｢イギリスか、カナダか…。
まだ小さいから、治安のいい国がいいかなって｣
｢そのどっちかやったら、イギリスのほうがいいと思います。
British English…、えっと、イギリス英語やけど、文化も言葉もすごく綺麗やから｣
健一さんは『へぇ』とか『ふぅん』とか、やわらかい相槌を打ちながらも、私の答えをメモ帳に残し、熱心に耳を傾けていた。
パパが自分の為に質問していることは露知らず、ふたつめの質問が終わる頃、圭人くんは既に夢の中へと旅立っていた。
健一｢留学してて困ったり、嫌だなって思ったりすることはある？｣
｢そりゃもう、毎日ですよ。
最初は言葉が通じひんってだけで相当なストレスでしたし、オーストラリアは水が貴重やから、お風呂も満足に入らせてもらわれへんし…。
最初の半年くらいは毎日、日本に帰りたいって泣いてましたよ｣
もう4年も前のことだけど、今でも思い出すと泣きそうになる。
2週間に1度の母親からの電話が、あの頃の唯一の救いだった。
｢せやけど、留学したことは後悔してません。
母親に言われたんです。
語学も知識も経験も、絶対に重荷にはならへんって｣
堂々とそう告げると、健一さんは満足したようににっこり笑って、『いい話が聞けたよ』と呟き、メモ帳をぱたんと閉じた。
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青(プロフ) - 布由さん» ありがとうございます うちは日本語あんま得意じゃないんでごめんなさい (2018年7月16日 23時) (
レス) id: 971749c1a6 (このIDを非表示/違反報告)
布由(プロフ) - 青さん» ありがとうございます！分かりにくかったですね…。主人公の家から圭人くんの車で圭人くんのマンションまで移動して、車を置いてからタクシーでお店まで行った、という流れです。 (2018年7月5日 7時) (レス) id: 70a19695e6 (このIDを非表示/違反報告)
青(プロフ) - この作品大好きです！42ページのやつって結局タクシーで行っとるんですか？ (2018年7月5日 0時) (レス) id: f8ce159ddb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：布由 | 作成日時：2017年8月11日 0時
