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ベッドの上でも彼はひたすら優しくて、久しぶりに体を交える私を気遣ってか、『大丈夫？』『しんどくない？』と何度も確認してきた。
久しぶりとはいえ、それなりに経験はしてきたつもりだし、もうすぐ28になるアラサーなんだから、そんなに気を遣わなくてもいいんだけど。
とにかく、今まで経験した誰よりも優しかった。
薄手の毛布の中、まどろんで回らない頭で時計を見ると、その針は8時10分を差していた。
今日は昼からの音合わせだけで、迎えもマネージャーに頼んである。
もう少しだけ、この心地よい疲れに身を委ねようと腕を伸ばしたけれど、そこに圭人の身体はなかった。
｢…え、帰ったの｣
やるだけやっといて帰ったのか、と疑心暗鬼になったが、さすがに圭人はそんなタイプじゃないと思い直し、とりあえずベッドの下に散らばったTシャツを拾って袖を通した。
夜には閉めていたはずのカーテンが何故か開いていて、朝日が射すベランダには、立ったまま煙草をふかす愛しい彼の後姿が窓越しに見えた。
私が窓を開けると、その気配に振り向いた圭人が『起きたの？』と微笑んだ。
｢ベッドにおらんから、帰ったんかと思った｣
圭人｢そんなひどいことしないよ(笑)
…てゆうかズボン履いて｣
ベッドの下から手探りで拾ったのは、圭人のTシャツだった。
私には大きすぎるから、下は履かなくていいやとそのまま出てきてしまった。
｢ごめん、勝手に借りた｣
圭人｢それはいいけど、下は履いてよ｣
｢圭人も上着てへんやん｣
圭人｢俺はいいの｣
彼は吸い殻を丸缶の灰皿に放り込み、『はい、中入って』と私の背中を寝室へ追いやった。
｢別に見えてへんからえぇやん｣
圭人｢そうゆう問題じゃないの｣
｢誰も見てへんよ｣
圭人｢見られてるかもしんないじゃん｣
圭人は後ろ手で窓を閉め、遮光カーテンを勢いよく引いた。
ベッドにぼすん、と座った私は、『ここ25階なのになぁ』と思いながら彼を見上げた。
圭人｢それに…｣
｢それに？｣
圭人｢それに…。
なんか生々しいから、恥ずかしいの｣
顔を手のひらで覆い、耳を真っ赤にする圭人が可笑しくて、笑いながら彼の腰に抱きついた。
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青(プロフ) - 布由さん» ありがとうございます うちは日本語あんま得意じゃないんでごめんなさい (2018年7月16日 23時) (
レス) id: 971749c1a6 (このIDを非表示/違反報告)
布由(プロフ) - 青さん» ありがとうございます！分かりにくかったですね…。主人公の家から圭人くんの車で圭人くんのマンションまで移動して、車を置いてからタクシーでお店まで行った、という流れです。 (2018年7月5日 7時) (レス) id: 70a19695e6 (このIDを非表示/違反報告)
青(プロフ) - この作品大好きです！42ページのやつって結局タクシーで行っとるんですか？ (2018年7月5日 0時) (レス) id: f8ce159ddb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：布由 | 作成日時：2017年8月11日 0時
