46. ページ46
.
その後は松にぃに渡された(押し付けられた)シャンパングラスを片手に、しばらく3人で盛り上がった。
主に私たちの関係について健一さんに聞かれただけだったけど、健一さんは私たちの交際を心から喜んでいるのか、お酒も進みどんどん饒舌になっていった。
圭人｢パパ、そろそろ俺たち出てもいい？｣
健一｢なに、帰んの？｣
圭人｢A姉、明日昼から仕事｣
あっという間に時間は過ぎていて、時計の針は午前3時を回っていた。
健一｢お前、Aちゃんち泊まんの？｣
圭人｢そのつもり｣
圭人の答えに健一さんはニヤニヤして『はいはい、仲良くね』とグラスを差し出し、三人で最後の乾杯をした。
｢お手洗い行ってくるから、先に先輩たちに挨拶してきて｣
圭人｢あ、うん｣
圭人はきっと大倉か松にぃに捕まるだろうなと考えながら、足早にトイレへ向かう。
『…A、もう帰んの？』
斜め後ろから聞こえたその声は、今日この場でずっと避けていた人のものだと、顔を見なくても分かった。
｢…斗真｣
斗真｢久しぶり、半年ぶりくらい？｣
｢ごめん、トイレ行きたいから話なら後にしてくれる？｣
斗真｢あぁ、ごめん｣
Womenと書かれたトイレのドアを開け、すぐさま個室に向かった。
個室に入るとすぐドアに背中を預けて、ひとつため息をつく。
｢…なんで声掛けるかなぁ｣
私の小さな呟きは、BGMで流れるエリック・クラプトンの声とともに消えていった。
トイレから出ると、件の彼は柱にもたれ、律儀に私を待っていた。
｢ごめん、おまたせ｣
斗真｢いや、勝手に待ってただけだし｣
斗真の右手にも、松にぃに押し付けられたであろうシャンパングラスがおさまっていた。
斗真｢松岡くんがさ、Aと何で別れたんだとか、すげー聞くから困ってさ｣
｢何でって…、円満破局やのにね｣
斗真｢まだ好きなのか、とも聞かれてさぁ。
返事に戸惑ったよ｣
｢なんで戸惑うの｣
彼の手の中のシャンパンは、きっともう温くなってるだろう。
斗真｢だって、正直まだ好きだし。
未練タラタラよ、俺｣
…ヒナちゃん、横ちょ、すばるくん。
私は今日限定でモテ期のようです。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 60人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
青(プロフ) - 布由さん» ありがとうございます うちは日本語あんま得意じゃないんでごめんなさい (2018年7月16日 23時) (
レス) id: 971749c1a6 (このIDを非表示/違反報告)
布由(プロフ) - 青さん» ありがとうございます！分かりにくかったですね…。主人公の家から圭人くんの車で圭人くんのマンションまで移動して、車を置いてからタクシーでお店まで行った、という流れです。 (2018年7月5日 7時) (レス) id: 70a19695e6 (このIDを非表示/違反報告)
青(プロフ) - この作品大好きです！42ページのやつって結局タクシーで行っとるんですか？ (2018年7月5日 0時) (レス) id: f8ce159ddb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：布由 | 作成日時：2017年8月11日 0時
