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フレンチトーストの甘ったるい匂いと、コーヒーの香ばしい香りが立ち込めるダイニングテーブルで、2人向かい合って『いただきます』をする。
目の前の圭人はいまだ気分が晴れないのか、保冷剤を後頭部に当てて、意気消沈といった表情でコーヒーをすすっている。
｢紅茶切らしてて、ごめんね｣
圭人｢コーヒーも好きだから平気｣
｢フレンチトースト、冷めるよ｣
圭人｢…うん、たべる｣
ご機嫌を直してもらおうと優しく声を掛け続けるけど、圭人はシュンとしたまま目をこするだけ。
圭人｢けいと寝相わるかった？｣
…その件については聞かないでほしかった。
｢んー…寝相ってゆうかね。
圭人、私に抱きついてて起きられへんかったから、ちょっと追いやってもーた｣
『え、』と顔を上げて目をまん丸にする圭人。
｢せやから半分は私のせいやね。
ごめんな｣
圭人｢え…ちょ、いや、…いやいやいや！
逆に抱きついてごめん！
まじごめんA姉！！｣
私の謝罪にいきなり必死の形相になった圭人は、顔の前でパンっと手を合わせ、テーブルにおでこがぶつかる勢いで謝りたおした。
｢いや、別に気にしてへんよ。
重みでちょっと苦しかっただけやし｣
圭人｢いや…！苦しいとかそうゆうことじゃなくてさぁ…。
A姉に抱きつくとか、まじ最悪…｣
｢……What?｣
…なんだそれ。
その気もないアラサー女に抱きつくなんて不覚だって言いたいのか。
｢何それ、意味わからん。
あんたが一緒に寝ようって言い出したんやろ。
…最悪で悪かったね｣
彼の言い分にふつふつと怒りがこみ上げてきて、大人げない言葉が口をついて出る。
｢仕事行ってくる。
玄関に鍵置いてるから、帰るなら閉めてって｣
行き場のない怒りにいても立ってもいられず、お皿とコーヒーカップを乱暴にシンクへ置いて、飛び出すようにマンションを後にした。
圭人はずっと『A姉、待って！ちがう！』と叫んでいたけれど、言いようのない怒りと悲しみに、振り返ることはできなかった。
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青(プロフ) - 布由さん» ありがとうございます うちは日本語あんま得意じゃないんでごめんなさい (2018年7月16日 23時) (
レス) id: 971749c1a6 (このIDを非表示/違反報告)
布由(プロフ) - 青さん» ありがとうございます！分かりにくかったですね…。主人公の家から圭人くんの車で圭人くんのマンションまで移動して、車を置いてからタクシーでお店まで行った、という流れです。 (2018年7月5日 7時) (レス) id: 70a19695e6 (このIDを非表示/違反報告)
青(プロフ) - この作品大好きです！42ページのやつって結局タクシーで行っとるんですか？ (2018年7月5日 0時) (レス) id: f8ce159ddb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：布由 | 作成日時：2017年8月11日 0時
