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Aug.2000



「あっつ…」


約1年ぶりの帰国早々、成田空港を出るなり目眩がするほどの日差しに思わず声が漏れた。



オーストラリアに留学中の私にとって、北半球独特のじっとりとした暑さはやっぱりこたえる。



出国間際、社長からの国際電話で伝えられたのは、『着いたらすぐに事務所に来て』という長旅を労る気もない言葉だった。

その電話のおかげで到着を関空から成田に変更することになり、久しぶりの日本だというのに、家族と会うのも泣く泣く延期となってしまった。



ゴロゴロと重たいスーツケースを引きずり、これまた10時間のフライトで重たい体も引きずり、空港の駐車場までなんとか歩く。



《着いた?》



日本に降り立ってすぐに届いたメールはなんとも簡素なもので、負けじと私も《着きました》と、簡素な文体で返信した。





メールで指定された駐車場にやっとのことで辿り着くと、見慣れた大きな車に見慣れた長身が体を預け、サングラス越しに携帯電話を覗き込んでいる姿が見えた。



「松にぃ」


3メートルほどまで近寄って呼びかけると、彼はゆっくりと顔を上げ、サングラスの上から三日月型の目を覗かせた。


「おかえり、A」


松にぃは笑みを絶やさず私のもとへ近づき、慣れた手付きで重たいスーツケースを私の手から奪っていった。



「今年もお迎えありがとうございます」


松岡「可愛いAちゃんの為ならお安い御用ですよ」


「ふふっ。相変わらずGentlemanですね」



あれほど重たかったスーツケースは、彼の手によっていとも簡単に車のトランクへと放り込まれ、流れるように助手席のドアが開いた。


「どうぞ、お姫さま」




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設定タグ:岡本圭人 , 紅一点   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - 布由さん» ありがとうございます うちは日本語あんま得意じゃないんでごめんなさい (2018年7月16日 23時) (レス) id: 971749c1a6 (このIDを非表示/違反報告)
布由(プロフ) - 青さん» ありがとうございます!分かりにくかったですね…。主人公の家から圭人くんの車で圭人くんのマンションまで移動して、車を置いてからタクシーでお店まで行った、という流れです。 (2018年7月5日 7時) (レス) id: 70a19695e6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - この作品大好きです!42ページのやつって結局タクシーで行っとるんですか? (2018年7月5日 0時) (レス) id: f8ce159ddb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:布由 | 作成日時:2017年8月11日 0時

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